民主党が早くも公約を反故にした。
16日、民主党の小沢幹事長が鳩山首相を訪ね、2010年度予算及び税制に関する要望を提出した。
その内容は、ガソリン税などの暫定税率を維持することや、子ども手当に所得制限を設けることなど。総選挙で掲げた同党のマニフェストには、来年度からの暫定税率の廃止や全ての子どもを対象とした「子ども手当」支給を明記していた。方針転換に至る過程については何の説明もなされていない。
総選挙の時点で、同党が主張する暫定税率廃止や子ども手当、農家への戸別所得補償制度などに対し、財源の裏打ちがないと指摘されていたが、それを証明した形となった。
マニフェストを金科玉条にしてきた同党の姿勢は、半年も経たぬうちに崩れたことになる。有権者への明らかな背信行為である。
来年度予算の編成にあたっては、ムダの削減を主張しながら、95兆円という過去最大の額にまで膨らんだ。マニフェストに記された内容を実現するため、「事業仕分け」を実施したものの、教育や科学技術といった国の未来を左右する分野の予算削減に踏み込み、世論の批判を受けていた。政権政党としての未熟さ、国家ビジョンなきパフォーマンスのお粗末さを露呈したものである。
小沢一郎幹事長による独裁体制に批判が高まる一方、鳩山首相の影は日増しに薄くなっている。
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