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麻生県政の終焉
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2009年12月24日 08:00

 「権不十年」という。ひとつの権力が長く続けば必ず腐敗する。
 福岡県町村会を舞台にした公金詐欺事件にからんで、麻生渡知事の腹心と言われた中島孝之副知事が辞任した。福岡県庁、そして県町村会、ともに長期政権の澱みが生じている。

 麻生知事は、初当選した1995年から4期14年間、県政トップの座に君臨している。県町村会会長である山本文男・添田町長に至っては71年から10期連続当選。実に40年近く権力を握っているのだ。そして、麻生知事は全国知事会、山本町長は全国町村会の会長。首長らの「地方3団体」のうち、ふたつの団体のトップを福岡県から出していたことになる。しかし、その足もとで起きた詐欺事件によって、両氏の政治家としての責任が問われることになった。

接待疑惑に揺れる福岡県庁 事件の真相は裁判の過程で明らかにされることになるが、県幹部や町村会職員らが公金で遊んでいた事実だけは揺るがしようがない。県庁ぐるみのカラ出張問題が明らかになったのは96年で、麻生知事就任直後である。県民の信頼を失った県庁は、麻生知事の下、長い時間をかけ、信頼回復に努めてきたはず。よもや同じようなことは繰り返すまいと思っていたし、職員も全国知事会の会長県としての矜持は有していると信じていた。だが、残念ながら、税金を使った「たかりの体質」は変わりようがなかったとみえる。

 4期に及んだ長期政権は、組織から緊張感を削ぎ、税金に対する責任意識をも奪ってしまった。「澱んだぬるま湯」は、根太から腐らせるということだ。町村会も同様である。
 トップのふたりが「知らなかった」で済まされる問題ではない。

 5選出馬の有無が注目されてきた麻生知事だが、今回の事件で「難しくなった」(県議会関係者)と見る向きは少なくない。麻生県政の終焉と言っても差支えないだろう。「改革派」と呼ばれた三重県の北川氏や宮城県の浅野氏、岩手県の増田氏といった政治家たちは、いずれも2期か3期で知事を辞めている。権力について、きちんとした見識を持っていたということだ。

 盤石と思われていた麻生県政が、思わぬところでつまずいた。「権不十年」が証明されたということでもある。

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