今年9月、九州地方整備局「博多港湾・空港事務所」が、おそらく福岡市内では初となるある工事を発注する。工事の正式名称は「博多港浮泥除去工事」。中央区那の津5丁目地先の海中にある「浮泥」を除去する工事である。入札に応じたのは1社のみ。契約金額は1億80万円(消費税込み)だった。
「浮泥」とは、何度も報じてきたとおり、福岡市漁協側が昨年10月に九州地方整備局が発注した「博多湾(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(第2次)」を止めた原因とされるものである。
漁協側は、浚渫工事によって、海底に堆積したシルト状の「浮泥」が拡散し、アナゴやタコの「稚魚」が死ぬと主張。宮川建設(福岡市中央区)を主体とする「宮川・淺川経常建設共同企業体」による工事を、同工事の開札日当日にストップさせたのである。
ただし、当時の状況や開札日当日になって行われた漁協側の工事中止への要望は、施工業者への反発だったことが推定される。つまり、宮川建設が工事を落札したことへの不満である。
しかし、なぜ漁協側が施工業者に不満を持つのだろう。もちろん「工法」に不備があったわけではない。国交省の評価基準を満たした工事計画に齟齬があるはずがない。本当に漁協側の意思で工事を止めたのだろうか?
実はその疑問に対する答えであると思われるのが、冒頭に記した「博多港浮泥除去工事」なのである。
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