ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

中洲バトルロワイヤル

年末中洲バトルロワイヤル(10)-賑やかな中にも不協和音
中洲バトルロワイヤル
2009年12月25日 11:00

 いよいよ年の瀬も押し詰まり、慌ただしくなった感のある中洲。最近、取材先で暗い話ばかり聞いていただけに、人の往来も増え、賑やかになった様子を見ていると、正直ほっとする。年内の仕事が一段落ついたのだろうか。行き交う人々は、サラリーマンの団体客が多い。ただ、クリスマスシーズン真っただ中であるにもかかわらず、それらしき派手なディスプレイは見られない。ケーキ屋の店先にちょこんと置かれた小さなクリスマスツリー。景気が悪くなれば木も小さくなる。
中洲大通り
 全体的に客数が減ったとは言え、まだまだ中洲を訪れる人は多い。「やれバブルや何やでほっといても客が来る。今までが異常だったんです」。そう話すスナックの経営者がいた。増える店舗数に反比例して、客数は減少している。膨らみつづけた「中洲ブランド」が今の状況を招いていると言う。「店を出せば必ずもうかる。そんな時代じゃない」と、店舗の入れ替わりが激しい現状を冷ややかな目で見ている。

 景気の良し悪しに関わらず、ヒマな店もあれば忙しい店もある。ごく当たり前のことだが、「中洲ブランド」への期待だけで店を構えた経営者の中には、「なんで中洲に店を出したのに儲からんのか?」と首をひねる人が多い。「行く先々で責められてばかりですよ。お前んとこの広告が悪いから客が来ないって...」と、中洲を中心に回っている広告営業マンは愚痴をこぼす。
 責任転嫁。その矛先は広告だけではない。「お前らの努力が足りんから、客が来んのやろとか言って、オーナーがボーイさんや女の子に当たり散らすの。ノルマや罰金もどんどん厳しくなって、タダ働きになる子もいた。(その店は)つぶれちゃったけど」と、最近の体験を話すキャバクラ嬢がいた。
22日、日本初のキャバクラ嬢の労働組合「キャバクラユニオン」が結成された。共感を持つ中洲のキャバクラ嬢は増えつつあるようだ。

 「おまえ、俺のなんが悪いとや。言ってみろや!」。突如、響いた怒号に振り返る。50代ぐらいの男性が、連れの男性につかみかかっていた。スーツ姿のふたりは、上司と部下といった間柄であろうか。深酒をしているのか、つかみかかっている男性は、呂律の回らない口調でまくしたてている。
 ついに、相手を押し倒し馬乗りになった。さすがにほっとけない。止めに入ろうとした瞬間、「あんた、やめんね。せっかくの楽しか酒が台無しばい」と、近くの店舗から飛び出してきた店員が、もみあう二人の間に入り、体を張って仲裁した。

 そう言えば、泥酔者のトラブルをこのところ良く耳にする。
 今年、某無料案内所では、泥酔客が押し入り、店員へ暴行を加えたという事件があった。訪れた店でよほど不愉快な思いをしたのだろうか。酔いすぎの為、その真意は不明。おそらく無関係であるにもかかわらず、殴られた店員は気の毒としか言いようがない。
 決して楽しい酒を飲んでいる人ばかりではないのだ。

(つづく)

長丘 萬月(ながおか まんげつ)
 1977年、福岡県生まれ。雑誌編集業を経て、2009年フリーライターへ転身。体を張った現場取材を通して、男の遊び文化を研究している。


*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

中洲バトルロワイヤル一覧
中洲バトルロワイヤル
2012年10月12日 14:38
中洲バトルロワイヤル
2012年7月25日 07:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル