ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

中洲バトルロワイヤル

年末中洲バトルロワイヤル(11終)-人情の街、座して死を待たず
中洲バトルロワイヤル
2009年12月28日 12:51

 25日中洲にて、"飲酒運転、違法客引き、違法スカウト"の撲滅運動パレードが行われた。これは中洲町連合会、博多警察署、福岡市役所、博多区役所が合同で、毎月最終金曜日に行っているものだ。もっとも、こうした大々的な運動に限らず、日々の取り締まりも強化されている。こうした取り組みにより、中洲は健全な歓楽街へと戻りつつある。
撲滅パレード
 先の記事で少し触れたが、数年前までの中洲は、悪質な客引き・スカウトや、無許可風俗営業、ぼったくりを行う店が跋扈していた。そうした悪徳商法を行う店はほとんど24時間営業。昼間でさえも悪質行為が行われており、特別な用が無い限り、中洲界隈を避けていたぐらいだ。
と言うのも、先祖伝来、"押し売りに弱い"というDNAを受け継ぐ小生などは、目的とする店に辿りつくことままならず、悪徳商法を自らが被害者となり体験取材をすること度々。おかげ様で、その手口を忠実に再現できるほど詳しく知ってしまった。
それだけに、ひとりでも安心して歩けるようになった中洲の健全化を心の底から喜んでいる。日夜、見回りを続けてきた連合会、警察、行政の方々には、ただただ頭が下がる思いである。

 見方を変えれば、安心して商売ができるようになったとも言える中洲。だが、「昔に比べて花が売れません。景気が悪いので、こういうところ(花代)が削られていくのは仕方がないことですが...。特に若い人で花を買われる方は少なくなりましたね」と、通り沿いにある花屋の店員は寂しそうに話す。
その花屋は朝5時まで営業している。無論、中洲の飲み屋はそんな時間までやっていないのだが、深夜を過ぎてからの客層は、男性から女性へ。ホストの元へ通うキャバクラ嬢たちが商売相手だそうだ。
「今はキャバクラ嬢でもサイフのヒモが固くなりましたね」。男女問わず、先行き不安な社会情勢の真っただ中にいる若年世代が、堅実志向であることを感じさせる話である。
そうした中でも、クリスマス・イブは違ったようで、プレゼント用の花(3,000円~5,000円)は完売したと言う。買った客は団塊世代の紳士たちだが、景気が悪くとも使うときは使う、しみったれた遊び方はしない、そんな中洲っ子の気風の良さは、今なお健在であるようだ。

 これまで11回に渡って、2009年末の中洲をレポートしてきた。その中で、年々客数が減少し、生存競争が激化しているという事実を知った。だが、その一方でサービスの質が向上し、街の健全化が進んでいるのも事実である。かつての「中洲ブランド」が復興する土壌は整っている。

 そして何より、中洲には人情がある。酔い潰れた他人を介抱する人がいた。お世辞にも上手いとは言えない歌を熱唱する青年に、温かい拍手を送り、投げ銭をする人もいた。危険を顧みずに喧嘩を仲裁する人もいた。そして、取材に快く応じ、丁寧に受け答えをしてくれた多くの経営者、従業員の方々。
西日本一の歓楽街たる所以は、そうした街の人々の人情にもあるのではないだろうか。

(了)

長丘 萬月(ながおか まんげつ)
 1977年、福岡県生まれ。雑誌編集業を経て、2009年フリーライターへ転身。体を張った現場取材を通して、男の遊び文化を研究している。


※記事へのご意見はこちら

中洲バトルロワイヤル一覧
中洲バトルロワイヤル
2012年10月12日 14:38
中洲バトルロワイヤル
2012年7月25日 07:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル