NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

深層WATCH

鳩山内閣のイエメンODA 7億円追加 拉致事件解決金の仕分け(上)
深層WATCH
2009年12月29日 08:00

 このほど日本とイエメンの間で、ODA(政府開発援助)による2つの無償資金協力が決まった。イエメンでは11月に邦人誘拐、拉致事件が起きたばかり。同国には今年度すでに3件のODA実施が決まっているが、ここにきての追加ODAは何を意味するのか。人質解放に尽力した同国政府への感謝という外交的配慮だけではないだろう。

<闇に包まれた解決プロセス>
 9月の政権交代後、官房機密費が空っぽになっている、と声高に使途追及する与党・民主党に、マスコミも同調したがいつのまにやら立ち消えになった。当然だろう。どんな政権であれ、機密費は機密。国としての戦略に関わるものを、すべて明らかにできるわけがない。追及の音頭取りをした平野官房長官も、追及放棄したことに今は胸をなで下ろしているのではないか。
 それというのも、鳩山政権発足後の初の緊急事態が、11月15日の中東イエメンにおける邦人の拉致事件だ。こんな突発的事態にも備えるのが、官房機密費だ。それが身代金や交渉仲介人たちへ流れようが、事態収拾が最優先するからだ。官房機密費の捻出はさまざまな手法があるが、最大の注入源とされるのがODA(政府開発援助)を所管する外務省機密費からの上納である。
 今回を含めて、海外での邦人拉致、誘拐事件の解決プロセスは常に闇に包まれ、「公になることは決してない」(ベテラン外信部記者)とはいえ、何らかの痕跡、徴候は現れるもの。
 現地時間12月12日、イエメンの首都サヌアで敏蔭正一駐イエメン大使と同国のアル=アルハビー経済担当副首相兼計画・国際大臣が、ODA(政府開発援助)2件に関する交換公文に署名した。1件目は、同国に対する環境プロジェクト無償資金協力『太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画』で6億2,000万円。2件目は、8,900万円を限度とする一般文化無償資金協力『国立サヌア大学中央研究室研究機材整備計画』。合わせて約7億1,000万円の資金提供だ。
 前者はアデンの病院に太陽光発電施設を設置するもので、「昨年から先方の要望があったもので、21年度補正予算で実現しました」(外務省国際協力局国別開発協力第3課)。後者は環境汚染物質の分析、研究に必要な機材の整備が目的で、これまた「以前から要望があったもの」(大臣官房広報文化交流部)だという。

(つづく)


恩田 勝亘【おんだ・かつのぶ】
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない―舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。


※記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


深層WATCH一覧
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル