07年、鳩山邦夫元総務相の資金管理団体「新声会」が、元秘書が代表を務める会社から1億1,000万円を借り入れていた問題で、取材に対する鳩山総務相側の答えに疑問が生じている。
鳩山事務所側は、「大臣在任中で(政治資金)パーティが開けず、資金ショートしたため」(鳩山氏の公設第一秘書の話)借り入れを起こしたとしているが、鳩山氏が資金不足に陥っていたとは思えない。報じられているとおり、母親から10億円近い資金提供を受けていたのなら、自身の資金管理団体に貸し付ければ済む。資金不足ではなかった証拠に、同年、鳩山氏は選挙区である久留米市内に自宅マンションを購入している。現地で確認したところ、数千万単位の買い物だったことは歴然だ。母親からの資金提供分を適法に処理していたとするなら、鳩山氏の金として動かせていたはずで、資金ショート」の言い分は、母親から提供された資金が隠されていたという可能性を高めることになる。
元秘書が代表を務めている会社「株式会社ゼフィルス」についても聞いた。鳩山事務所側は、「詳しくは知らないが」と前置きした上、「保健代理業や鳩山ビルの管理、鳩山会館の運営などをやっていると聞いている」と答えている。つまり、「株式会社ゼフィルス」は、鳩山家のファミリー企業なのである。その「ゼフィルス」の売り上げの推移も興味深い。例年3,000万円台だったものが、07年、突然1億円台に売り上げを伸ばしているのだ。貸し付けの金額に合わせるように売り上げ高がアップしたのは不自然としか言いようがない。
収支報告書を確認していくと「新声会」の収入には、さらにおかしな点が見えてくる。「ゼフィルス」の複数の役員による巨額の資金提供だ。
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