8日、鳩山邦夫元総務相が母親からの資金提供を認め、「贈与税を払う」ことを明言した。昨年までの6年間で、母親から「贈与」された金額は9億円とも、11億円とも言われる。
鳩山ファミリーの潤沢な資金に厳しい目が注がれる中、07年に鳩山邦夫元総務相の資金管理団体「新声会」が、元秘書が代表を務める「株式会社ゼフィルス」から1億円を超える借り入れを起こしていた問題にからみ、「新声会」やその他の鳩山元総務相側の政治団体などに対し、代表など同社の取締役ら4人からも多額の借り入れや寄附を受けていたことが明らかとなった。4人の資金提供の総額は05年から08年までの4年間で1,780万円、貸付金(全額返済済み)は5,700万円に及ぶ。
同社代表を務める鳩山元総務相の元秘書を含む取締役ら4人の政治資金提供の内訳は次のとおり。
●05年 取締役2人から、それぞれ100万円(新声会へ)、350万円(新声会へ150万円、鳩山邦夫後援会へ100万円、新政治問題研究会へ100万円)の計450万円の寄附。
●06年 取締役2人から、それぞれ150万円(新声会へ)、250万円(新声会へ150万円、鳩山邦夫後援会へ100万円)の計400万円の寄附。
●07年 代表を含む3人の取締役から、それぞれ200万円(新声会へ100万円、鳩山邦夫後援会へ100万円)、240万円(新声会へ140万円、鳩山邦夫後援会へ100万円)、100万円(新声会へ)、監査役から100万円(新声会へ)の計640万円の寄附。
●08年 取締役2人から100万円(新声会へ)、140万円(新声会へ)、監査役から50万円(新声会へ)の計290万円の寄附。
合計すると4年間で1,780万円の政治献金を受けていたことなる。
一方、4人からの貸付金は、
●05年 取締役3人から、それぞれ500万円、1500万円、500万円、監査役から500万円の計3000万円で、同年中に全額返済。
●06年 取締役2人から、それぞれ200万円、1,000万円の計1200万円で同年中に全額返済。
●07年 取締役2人から、それぞれ500万円、1,000万円の計1,500万円で同年中に全額返済。
合計5,700万円が動いていたことになる。
また、「ゼフィルス」からも、07年の1億1,000万円(同年中に3,000万円だけ返済)の他に、05年に3,000万円、06年に3,000万円を借り入れ同年中に返済していた。08年12月時点での同社に対する残債は、05年以前に借り入れ分と思われる3,000万円を含む8,000万円となっている。
豊富な自己資金を有しながら、元秘書が代表を務める会社から多額の借り入れをしたり、同社の役員らからも借り入れを繰り返すなど、鳩山元総務相側の資金繰りには不自然な感が否めない。
「ゼフィルス」と同社の役員を中心とした多額の資金提供には、どのような意味があるのだろうか。
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