歩道橋建設の説明会を周知する文書は、自民党の大物・古賀誠氏の事務所が作成したものだった。総選挙直前に配られた同文書は、利益誘導の証である。
福岡県広川町の国道3号線上に、国土交通省九州地方整備局によって建設が計画されている「歩道橋」の予算は1億円~2億円とされる。しかし、歩道橋建設計画には疑問点が多い。
まず、国交省に歩道橋建設を要請したのが地元住民なのか、広川町なのか、あるいは古賀誠代議士なのか判然としないことである。問題の文書を見ると、タイトルは《『国道3号線・新代池田地区横断歩道設置』要望経過報告》となっている。要望は「歩道橋」ではなかったということだ。これまでの取材過程では、どの段階で「信号機付き横断歩道」が「歩道橋」に変わったのか明確にはなっていない。
さらに文書には《早速、所管の国土交通省九州地方整備局 福岡国道事務所に検討して戴くようお願いし》、《「押しボタン式信号機付横断歩道設置」よりも、より安全安心を確保できる「歩道橋」の設置を検討して戴いております》と記されている。
地元要望は「信号機付き横断歩道」だったが、古賀代議士が国土交通省九州地方整備局 福岡国道事務所に話をして「歩道橋」建設の方向に変わったというわけだ。歩道橋建設は古賀代議士の尽力の賜物と言わんばかりだ。
データマックスが入手した文書は、総選挙直前の8月初旬頃、広川町の関係地域に配られたという。地元住民が要請した「押しボタン式信号機付横断歩道設置」が、選挙直前になって建設費ベースで約10倍ともいわれる「歩道橋」に格上げされたことは、「利益誘導」以外の何物でもない。この問題についてさらに検証を続けたい。
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