世界一の庭師 日本一の緑を愛する経営者
英国王立園芸協会が主催する世界最高峰のフラワー&ガーデンニングフェスティバル「チェルシー・フラワーショー」で、ただ一人異なるジャンルで3年連続ゴールドメダルを獲得したランドスケープアーティストの石原和幸氏。「世界一の庭師」として名高いが、過去に大きな失敗をしてドン底の人生を味わったこともある。そんな石原氏に、意識改革のきっかけとこれからの目標などについて話を聞いた。
庭造りの技術伝えたい
―2009年10月、福岡市で活動するカンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)の大谷賢二代表とともに現地に行かれたと聞き、今回の取材を企画しました。なぜ石原さんがカンボジアに行くことになったのですか。
石原 1つには、私は現在「ランドスケープアーティスト」として庭園を造る仕事をしており、砂利やレンガなどを海外とくにアジアから多く仕入れていることがあります。もう1つは、私が福岡市で「恵理子デンタルクリニック」さんの庭造りを担当したとき、平山恵理子院長からCMCさんの存在を聞かされ、ぜひ大谷代表にお会いしたいと思ったことです。
―私も実際に現地へ同行取材し、いろいろなことを感じました。石原さんはどうでしたか。
石原 まず、大谷さんのお話しをお聞きしたとき「地雷被害に苦しむ子どもたちの現状をこの目で見たい」と思いました。話のなかでカンボジアの子どもたちが人身売買の対象だとも聞き、日本との違いを感じさせられました。
しかし、実際に現地へ行ってみると印象は変わりました。私も小さいときは田舎で育ちましたが、カンボジアの子どもたちのピュアな目が当時の風景と重なりました。
―実際にはどのような活動をされたのですか。
石原 今回、CMCさんが建設されたというバンテアイミエンチャイのコーントライ中学校とバッタンバンのボップイ小学校を訪問しましたが、現地での活動の中心は果樹園作りと画材のプレゼントでした。中学校では、花や緑だけでなく食べ物が大事だと思ったので子どもたちと一緒に果樹園を作りましたが、本当に一生懸命な姿に心を打たれました。
小学校ではクレヨンと絵の具を子どもたちにプレゼントして、絵を自由に描いてもらいました。初めての絵の具に苦戦しながらものびのびと筆を走らせており、私はこの子供たちがたくさん描いてくれた絵を持って帰り、東京で個展を開催したいと思っています。
地雷撤去の現場も見ましたが、そうした暗い歴史によって生み出された貧困による残酷な現実がある一方で、ピュアな子どもたちがいる。そうしたことを考えたとき、彼らにぜひ絵を描いてもらって個展を開きたいと思いましたね。また、庭造りの技術も教えていきたいと思います。
【聞き手、文・構成:大根田 康介】
取材場所:風花東京 東京都港区南青山3-9-1 アブリム1F TEL: 03-6659-4093 FAX: 03-6659-4094 営業時間: 花屋/カフェ 9:30 ~19:00 ※カフェは11:00 ~ 営業時間: バー 19:00 ~ 24:00(日・祝定休) URL:http://www.kaza-hana.jp/ |
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