年が明け、2010年を迎えてもハウステンボス再建の問題は続いている。朝長則男・佐世保市長は、1月中旬にもHISからの前向きな返事が来るだろうとの希望的観測を示しているが、依然として先行きは不透明だ。
そうしたなか、福岡経済界の主要企業7社のうち4社が、スポンサー候補のHISに対して約7億円の出資による側面支援をするという話が報じられた。それによれば、九電3億円、西部ガス2億円、JR九州と九電工が各1億円を出資する方向で、コカ・コーラウエストも検討中という。出資比率をハウステンボス運営会社の資本金の15%未満にとどめて、経営主体はHISに委ねるという。
ここで注目したいのは、福岡地所と西日本鉄道が出資に慎重だという点だ。「すでにこの両社は支援には後ろ向き」という関係者の声もある。たしかにこの2社にとって、数億円出資してまでハウステンボスを再建させることによるメリットがどれだけあるのかは疑問だ。
ただ、それ以上に、福岡経済界の足並みが揃っていないことの方が問題ではないだろうか。このことは「福岡経済界主導の再建は断念、最終局面へ【ハウステンボス・ウォッチング(13)】」などでも再三述べてきた。
実は、この問題は福岡経済界を束ねる企業の存在価値が試されているといっても過言ではないだろう。
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