世界一の庭師　日本一の緑を愛する経営者

最大の財産は「自然」

　―経営者としての立場で見られてどうでしたか。

　石原　私の場合、地球という１つの星がボーダレスなビジネスの場なのです。たまたま日本に本拠地があるだけで、現場は地球だという考え方をしています。そういう意味では、カンボジアにもビジネスチャンスはたくさんあります。

　たとえば現在、年間で100万人以上の観光客がカンボジアを訪れていると聞きます。その人たちに向けてカンボジアに咲く花でガーデン美術館をつくってみてはどうでしょうか。そうすれば、まず花を育てるために必要な人員を確保するために雇用が生まれますし、技術も身に付きます。そして、その収入を地元に還元して貧困を少しでも解消するために使えます。

　―カンボジアでは雨季と乾季があります。日本と気候が違い、植物を育てるのは難しくありませんか。

　石原　実は、カンボジアの最大の財産はそうしたことを含めた「自然」なのです。タイやベトナムなどは仕事でよく行きますが、カンボジアは初めてでした。この自然と子どもたちの笑顔を見るとホッとしたのを覚えています。

　―学校建設によって子どもたちを教育し、技術学校で技術を伝えていくという考え方もあります。

　石原　私は彼らにとって、学校建設よりもまずは仕事を与えることが大切だと考えています。そのなかで技術移転もできるでしょうし、WIN-WINの関係を築いていくこともできると思います。そのための対策としてビジネスという考え方があるわけです。
　とにかく、単なるボランティアだけでは本当の意味での支援はできません。やはりビジネス感覚は必要です。日本はどちらかと言えば社会主義的資本主義ですから、そうした方向とは違うことをしたいですね。

【聞き手、文・構成：大根田　康介】

取材場所：風花東京 東京都港区南青山3-9-1　アブリム１F TEL: 03-6659-4093 FAX: 03-6659-4094 営業時間: 花屋/カフェ　9:30 ～19:00 ※カフェは11:00 ～ 営業時間: バー　19:00 ～ 24:00（日・祝定休） ＵＲＬ：http://www.kaza-hana.jp/

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