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2010年 存亡を賭けた生コンクリート業界(3)
清明がほえる
2010年1月 7日 18:29

 福岡地区生コンクリート協同組合は、2009年10月から“サンマル・プロジェクト”の啓蒙活動を実施している。サンマル=「30分で輸送、30分で打設、30分の余裕」を掲げ、組合員工場の品質向上や管理に取り組み、さらにその活動を世間にPRするというモノである。福岡市内の主要ターミナル駅周辺でのチラシ配りから、ゼネコン・工務店、設計事務所、デベロッパーなどの建設業界関係者を1軒ずつ訪問するなど、意欲的に活動している。各工場のトップ・幹部が先陣を切り、従業員や委託スタッフに至るまでの人々がその活動に従事しているという。組合職員もしかり。組合員工場のミキサー車のボディに同プロジェクトのロゴマークを貼り付け、行き交うドライバーに対してもPR活動を行なうなど抜かりはない。各地区で、スポット的にTVなどを使ったPR活動を行なっていた事例は過去にあるものの、「中・長期的にプロジェクトは続ける」(同プロジェクト関係者談)という大々的な生コンのPR戦略を実践している例は類を見ない。非常に画期的なアクションである。
 だが、このプロジェクトに関しても「濃淡」はある。例えば、同組合に登録する販売店。基本的には同プロジェクトを支持し、協力する意向の企業が大半であるが、「こんな活動をしても無駄。30分で輸送、30分で打設を完了することは極めて厳しい。逆に組合は自分で自分の首を絞めているだけではないか。できもしないことには賛同できない」と述べる販売店が存在することも事実だ。今後は、同組合内の関係者全ての足並みを揃えて真の一体感を作り上げ、同プロジェクトを進めねばならないであろう。
 「工場近隣の幼稚園・保育園や小学校などに出向いて、子供や保護者に対してサンマル・プロジェクトを含めた生コンについてのレクチャーを行なっている。将来、家やマンションを購入するエンドユーザーとなる人々へ、生コンの大切さをわかっていただくために実施している。今後は社会科見学という位置づけで、エンドユーザーの方々を招いての工場見学で実際に製造している工程や製品を見ていただき、生コンに対する関心度を高めてもらうことも視野にある」と同組合関係者は語る。
緊急に実施しなければならない経営合理化や工場集約化も最重要課題ではあるが、同組合が取り組んでいる草の根的な啓蒙も将来を見据えての活動で、存亡を賭けた戦術の一つであると言えよう。

(つづく)

【河原 清明】


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