公費支出の実態について、あくまでも隠蔽を図る福岡県町村会の姿勢が浮かび上がった。
5日、公金を詐取した裏金による県幹部への接待が明らかとなった「福岡県町村会」(会長:山本文男添田町長)を訪ねた。同会の入り口に標記された以下の団体について、年間の予算額と、その財源を確認するためである。
・自治会館管理組合
・消防災害補償組合
・市町村職員退職手当組合
・農業構造改善対策協議会
・山村振興連盟福岡県支部
・福岡県市町村振興協会
・水産業対策協議会県支部
これらは、市町村などが拠出する「公費」で運営されており、県民によって支えられている団体ということになる。情報公開の対象外とはいえ、県民の問いに答える義務があるはずだ。
対応した町村会総務課長は、「事務局長以外の人間は答えられない。事務局長は不在」だと言う。しかし、上記の団体の事務は、すべて町村会職員が兼務しており、年間の予算額程度なら、職員なら誰でも知っていることだ。《県民の税金を含む公金で運営がなされている団体の予算について、概略だけでも教えて欲しいという県民からの要請に応えないのはおかしい》と抗議したうえで、同日中の回答を依頼した。
しかし、5時間後に返ってきた答えは「事務局長と協議したが、どこにも出していない数字なのでお答えすることはできない」というものだった。公金の収支について、一切の情報を提供しないということだ。間違った判断である。
町村会の事務局長は元県庁職員である。総務課長の話では、その事務局長が、「マスコミが面白おかしく書き立てるから」との理由で、同会職員にかん口令を敷いているのだという。《こんな時だからこそ、積極的に情報を公開し、透明性を確保する努力が必要だ》と説得するが、町村会側の隠蔽姿勢は変わらなかった。主役である県民の権利を踏みにじるような団体には存在意義はない。そもそも「面白おかしく」報道されるような破廉恥な事件を起こしたのは町村会である。マスコミが何と書こうと、批判する資格などない。
今回の事件は、公金への意識の欠如が引き起こしたものだ。反省がないのであれば、解散して県民に金を返すしかあるまい。
【中願寺】
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