福岡の中堅ゼネコンであるA社が。仕事始めである6日に、全社員による研修を行なった。このゼネコンは以前、主力受注先が破綻したことで苦労し、リストラによる社員の削減など事業規模を半減させて窮地を脱していた。しかも、この厳しい事業環境を鑑み、新たなチャレンジとしてエコビジネス工事にも取り組むようにした。
6日に行なわれたのは、このエコビジネスの研修。当然ながら、本社には貼り紙をして研修中である旨を告知しているし、取引関係者にも事前に参加要請や連絡を行なっていた。
ところがその当日、弊社に問い合わせが入った。「A社が閉まっている。誰もいない。何かあったのか?」と。「全社員による研修ですよ。新しい取り組みをしていますから」と答えても、怪訝さを消さない。「全社員ですか?本当に何もないんですか?うちは聞いていなかった。明日には出ますよね?」
全社員で新しい取り組みにチャレンジする姿勢は、賞賛され、評価されるもの。2年前ならばこうした話も「笑い話」で済んでいたが、今や哀しいかな、いろいろな勘繰りが錯綜する「笑えない話」である。
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