世界一の庭師 日本一の緑を愛する経営者
「緑の扉を開く」1年に
―06年に「青嵐」、07年に「雲庭」、08年に「緑の扉」という作品で3年連続のゴールドメダル受賞を果たしました。庭造りのパイオニアとしてさまざまなメディアでも紹介されるようになりましたが、石原さんの2010年の目標は何ですか。
石原 日本人が大リーグで活躍する道を切り拓いた野茂英雄さんはご存じだと思いますが、私は彼のように日本人が世界で庭造りができるような道を切り拓きたいと考えています。それほどガーデナーの仕事は大切だと伝えていきたいのです。
日本を見渡すと、家は立派なものだけれども庭がまったくダメだというところはたくさんあります。一言でいえばチープなのです。犯罪が増えているのも緑が減っていることと連関していると思います。「家」に「庭」と書いて「家庭」です。しっかりした庭がある家でなければ、幸せな家庭を作るのは難しいでしょう。
そうしたことを踏まえて、2010年はショーガーデン部門でゴールドメダルを獲得し、全部門制覇を目指します。来年までは練習期間で、本番はその後です。日本からチェルシーに挑戦する後輩の教育に力を注ぎたいですし、庭に価値があることを日本中の人に伝えたいですね。「自分が開いたことのない緑の扉を開く」—そんな1年にしたいと思っています。
―日本でも屋上緑化など、エコなどを通じて緑に対する関心は高まっていると思います。
石原 まだまだ不十分です。屋上に芝生を敷くだけでなく、森を作り、そこにカフェや隠れ家的なものを作るくらいするべきです。たしかに屋上緑化も緑あふれる街づくりには必要かもしれませんが、私はここ南青山の「風花東京」では壁面緑化に力を入れています。15坪の店舗ですが、月に1,000万円、年間で1億2,000万円売り上げています。こんな花屋はほかにないでしょう。
これだけ緑があると水をやるだけでも大変です。植物を置く角度でも店の雰囲気がガラっと変わりますから、1日のうち数回は配置換えをしています。また、ベジタブルの苗と苔を使った食べられる盆栽、略して「ベジ盆」という商品もあります。
1つの店を極めることで次の何かが見えてくる。多店舗展開は考えていません。また、何でも思いついたらやってみる。これが大切です。おかげで多くのマスコミでも取り上げられ、雑誌の表紙を飾る仕事もするようになり、大きなパブリシティ効果をあげています。
【聞き手、文・構成:大根田 康介】
取材場所:風花東京 東京都港区南青山3-9-1 アブリム1F TEL: 03-6659-4093 FAX: 03-6659-4094 営業時間: 花屋/カフェ 9:30 ~19:00 ※カフェは11:00 ~ 営業時間: バー 19:00 ~ 24:00(日・祝定休) URL:http://www.kaza-hana.jp/ |
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