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清明がほえる

2010年 存亡を賭けた生コンクリート業界(6)
清明がほえる
2010年1月13日 18:23

 当サイトにて既報のとおり、現に複数工場を抱え、100億円近い業績を誇る生コンクリート製造の名門・梅谷商事グループが、福岡県宮若市の工場を閉鎖する。同グループは前年初、すでに基山の工場を閉鎖している。「今後発展の見込みのない市場に対して工場を構える意味がない。ましてや、北九州地区の協組は事実上崩壊。価格が7,000円台までに暴落している。商売として成り立たないから工場を閉める」とコメント。業界名門でも悠長に構えている状況ではないのである。
 複数の生コン工場を所有する企業の経営合理化に拍車が掛かれば、健全経営への道は大きく前進することになるのではないか。ただ、その場合、合理化によって閉鎖されて余剰人員となる工場スタッフへの対応が大きな課題になってくる。工場跡地の有効活用などを検証し、生コンとは関わりのない新規事業を行なうことも視野に入れるべきかもしれない。
 域外、非協同組合員=アウトサイダー対策も、協組の永年の大きな悩みである。福岡地区に関しては、アウトサイダーの参入により約20%、金額にして25~30億円規模で営業の逸失が発生していると言われている。組合側は、アウトサイダーに対して常時加入を働きかけているものの、「メリットなし」との事由で、現況アウトサイダーの工場が組合に加盟する気配はない。自己裁量で営業できる力があり、価格も自由に決めて商売できるなら、アウトサイダーが良いだろう。納入時に良質な生コンが保持されれば問題なく、「キチンと時間内に納品してくれるので、アウトサイダーを使う。当然、価格面でも組合より安いから」と堂々と話す、福岡市西部地区の建築会社代表。八木山峠を越えて福岡市内に納入することには疑問が残るが、時間内に現場に持っていけるなら確かに問題はない。アウトサイダーも商売であるから、品質に関しては細かく注意を払っている。組合員が月間平均2,000㎥出荷することが精一杯のなか、5,000㎥から、なかには10,000㎥前後出荷する猛者も存在する。商売として成り立っている。
 一方で、「一定地域内で商売する。福岡地区の協組内市場を荒らすようなことはやらないから」と予告して、生コン事業を手掛けるアウトサイダーも存在する。常に月間3,000㎥出荷して、薄利ながらも利益を出し、堅実経営を実施している。
 アウトサイダーに戦々恐々とすることよりも、どうすれば対峙できるのかという作戦にスパッと切り替えるのは、まさに苦境下の今であるように思う。協組組合員が対峙するには、各社各工場が協業→工場集約化を実践することがベストであり、今のところこれしかないのである。そうでなければ、破綻するまで我が道を進み、自然淘汰されることしかない。

(つづく)

【河原 清明】


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