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この冬は、巣ごもり消費を味方につける(4)~既成の商材を生かしたアレンジ提案
特別取材
2010年1月13日 08:00

 巣ごもりのパーティや宴会は、オードブルだけでなく既存の商材をアレンジして売り込むのも手である。たとえば、ハムメーカー系の冷凍ピザであれば、これにバジルや粉チーズなどトッピング商材を加えて陳列するのも手だ。チーズフォンデュの提案で巣ごもり消費を刺激する
 先にピザ材料などを販売する専門店が賑わっていると書いたが、この際、縮小した手作りコーナーを拡大してもいいのではないだろうか。ピザ生地やソース類、トッピング食材、チーズ類などを積極的に提案していけば、内食化傾向の消費者は必ず反応するはずだし、客単価アップにも貢献する。
 ただ単に商材を陳列するだけでなく、メニューやレシピをPOPで訴求する。その時のポイントとしては、「簡単」、「安い」、「おいしい」、そして「豪華」というキーワードを加える。キャッチコピー風にアピールしたり、ディスプレイでイメージ訴求すれば効果的だ。
 また冬のパーティでは、チーズフォンデュも浸透し始めている。ここでもレンコンやタケノコ、タコ、イカなど和の具材の提案したり、チーズのバリエーションを増やしたりと、いろいろな提案の手法が考えられる。
 本格的なチーズフォンデュを作るのであれば白ワインも必要だから、「当店おすすめのオリジナルチーズフォンデュ」と題してレシピ提案するものいいだろう。この手法はチョコレートフォンデュにも生かせるし、バレンタインデーの企画にも応用できる。

<鍋用の具材はバリエーション増で単価アップを>

 2009年の年末商戦の特徴としていちばん印象的だったのは、例年のような大家族向け商材が減って、1人向けなどの「個食化商材」が増えたことである。これは巣ごもり消費にも共通する。
 巣ごもりであっても、消費者は必要なものしか買わないし、買いだめしても1回で食べきれないような食材は買わないのである。鍋用の食材はバリエーションを広げ、お客を飽きさせない
 とくに福岡都市圏など、独身客が多く住むと想定されるエリアの店舗では、少量パックのニーズの方が高いはずである。食肉や鮮魚、鍋用の具材などは、小さいサイズや1品売りの方が残らずに重宝されるだろう。
 一方、鍋用の具材はバリエーションを増やし、単価アップを考えるべきだろう。寄せ鍋やおでんだけでは飽きてしまうので、レシピやスープなどを含めた提案が必要だ。
 08年には関西から「カレー鍋」がブームになり、全国に浸透。09年は「トマト鍋」がトレンドで、大手メーカーもスープを売り出した。
 もともと、鍋は地方によってメニューも、具材やスープもいろいろある。ちゃんこ鍋が相撲部屋によって多種多彩のように、具材とスープの組み合わせ方でいろいろなメニューが提案できる。それを工夫することが、販売のポイントにもなるだろう。

(つづく)

【釼 英雄】


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