福岡市は、2008年度から博多港に寄港している中国発着のクルーズ客船による経済波及効果について、昨年9月に行なった調査の結果を発表した。
発表によると、09年に中国発着のクルーズ客船が博多港へ寄港したのは24回。経済波及効果は10億5,700万円におよび、観光・港湾関係産業の雇用創出や、所得増加につながったとしている。
乗客の消費支出やツアー関連支出などの直接効果で約6億1,300万円、一次・二次間接効果を約4億4,300万円と推計。波及倍率は約1.72倍となった。また、それに伴う雇用者所得増は商業部門を中心に3億6,700万円、雇用創出76人、税収増2,440万円と推計される。
2010年は66回の中国発着クルーズ客船寄港が予定されている。福岡市ではその経済波及効果を29億円弱と見込んでおり、さらなる効果をもたらすためには、誘致の強化によりクルーズ客船の寄港数を増加させていく必要があるとしている。
福岡市は、天神地区など港に近接したショッピングエリアを有していることから、一寄港あたりの経済波及効果は他寄港地と比べて高いと考えられる。またアンケートによると、乗客は短時間での消費活動を行なう傾向にあるため、消費効率も高いと言える。そのため、乗客の特性を踏まえて回遊性の高い、買い物しやすい環境づくりが今後の課題となる。
同市は今回の調査結果から、クルーズ客船の寄港は福岡市地域経済への大きな効果を与えるとして、今後も積極的に誘致と寄港受け入れに向けた取り組みの強化し、アジアとの交流促進による福岡経済の発展につなげてゆくとしている。
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福岡市 外国クルーズ客船寄港による福岡市経済への波及効果等調査の結果について
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