<京セラ・稲盛会長が次期最高経営責任者(CEO)就任>
会社更生法の適用申請により、現経営陣は退任することとなるが、1月13日、京セラの稲盛和夫名誉会長がCEOに就任することが固まった。
同氏は航空ビジネスの経験がないが、京セラを、組織を小集団に分けて時間あたりの採算を管理する「アメーバ経営」と呼ぶ独自の経営手法により、ベンチャー企業から日本を代表する世界的な企業に育て上げた手腕が評価された。
また、中小企業を支援するための経営塾である「盛和塾」は、今や5,000人を超える経営者が組織していると言われ、その影響力は計り知れないものがある。
<民間金融機関の支援が再建の可否を握る大きな鍵>
日航向けに、主力取引銀行である日本政策投資銀行が2,000億円の融資枠を設けることになり、今後の焦点はメガバンクなどの民間金融機関の支援が得られるかどうかが、鍵を握ることになる。私的整理を軸とする再建案を主張してきた民間金融機関は、3年以内とされる会社更生法の適用期間には、融資に応じないとされている。再建計画中の運転資金については、企業再生支援機構と日本政策投資銀行のDIPファイナンスで乗り切ったとしても、予想される現金支払の増加等想定以上に必要資金額が膨らむ可能性がある。
<再建に失敗すれば 最終的には税金で穴埋め>
企業再生支援機構は、半官半民(政府と民間金融機関)の出資、日本政策投資銀行は財務省が100%出資する公的金融機関である。仮に日航の再生に失敗して融資が回収できなくなると、多額の損失が生じる。この損失は実質的に税金で穴埋めせざるを得なくなるのである。
【久米 一郎】
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