今年1月1日に誕生した糸島市。2月には糸島市長・市議会議員選挙がダブルで行なわれる。そこで、昨年12月に糸島市長選挙に出馬を表明した旧前原市長・松本嶺男氏に、出馬に至ったきっかけと、糸島市のこれからについてお話をうかがった。
<糸島市長選出馬のきっかけ>
―2月の糸島市長選に出馬を表明されましたが、それに至るきっかけを教えてください。
松本 旧前原市の市長を1期4年、2期目は77日間勤めさせていただきました。1期目の最大の目標は合併を目指すことでしたので、次の段階を目指させていただきたいと思い、立候補を決意いたしました。
現在、糸島市は10万人共生の市になりました。そして、もっと発展するだろうという気持ちがあります。その確信を持って今まで合併協議を手掛けてきましたから、心配事・懸念材料も全部肌身で感じとっています。それを新市の経営に反映できるのは、携わってきた自分であると思っています。
―選挙戦ではどういったことを訴えていかれますか。
松本 まずは、一体感の醸成と均衡ある発展ですね。「皆さんで一緒に浮かび上がろう」ということを訴えたいと思っています。現在、地方財政は国の厳しい財政事情で四苦八苦しています。来年度は地方交付税が減らずにすむようですが、行財政改革は永遠の課題だと思っています。とくに、究極の行財政改革は合併だと思っておりまして、10年間で204億円を節減する財政の建て直しを優先課題としています。創意工夫し、歳出を節約しながら、どのように税収を増やしていくのかが大きな使命となります。
法人市民税が大きな収入となっている県内の自治体には、トヨタがある宮若市や日産自動車がある苅田町、キリンビールのある朝倉市などがあります。こういった自治体は法人からの収入が期待できるのですが、残念ながら糸島市は産業の集積ができていません。ですから、経済基盤を底上げするためには、既存産業の活性化と外から持ってくる企業誘致の両方をうまくやることが必要なのです。産業の活性化は主に国や県の政策としてやることですが、市でできることは何かを考え、また市と県の政策を同時にやっていくことで、今後、地場の経営者が事業収入を上げられる仕組みを作っていけば、まちそのものの元気が出てくるのではないかと思っております。選挙戦では主に行財政改革、産業の新興を訴えていこうと考えています。
【文・構成:県政取材班】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら