「福岡県町村会」と「福岡県市町村振興協会」の裏金を使った接待疑惑で、副知事を辞任した中島孝之氏が雲隠れしている。
外部の有識者ら9人(内、県職員2人)で構成される県の「職員倫理調査委員会」(会長=永次広・前安川電機特別顧問)は、今月14日に2回目の会合を開き、18日以降、中島前副知事や県市町村支援課(旧地方課)の担当部長・課長(OBも含む)など13人に事情を聴取する方針を決めた。調査期限は2月中とされるが、主役の一人である中島氏は、辞任後、姿を消したまま。自宅にも帰っていないとされ、報道各社がその行方を追っている。データマックス取材班も、中島氏の出身地などを取材しているが、居所はようとして知れない。16日も自宅を訪ねたが中島氏は不在だった。今月いっぱいは「入院」とされ、県警の聴取や県の調査委員会による聞き取りに応じるか注目される。
詐欺容疑で逮捕された町村会参事の公金を使った乱行ぶりは中洲でも有名で、中島前副知事への疑惑の多くは、参事の計画に乗せられたものとの指摘も出ている。中島氏も辞任前、「報じられている疑惑の3分の2は自分のことではない」と周辺に語っており、真相究明が待たれる。既に調査委員会が県幹部の公金による飲食や旅行は県の条例に違反するとの結論を公表しており、中島氏らの行為が不適切だったことは明らかだ。しかし、県幹部らに全ての責任を押し付け、公金を食いつぶした罪を軽くしようとする人間がいるとすれば許されない。事件の構図は、正確に県民に知らされなければならないのだ。中島氏は、1日も早く公式の場で真実を話すべきだろう。それはまた、県のNO.2であった中島氏の義務でもある。
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