福岡市内で行なわれる港湾関連公共事業の成否は、市漁協が握っていると言われる。それほど漁協の力は大きい。工事を止めることくらい朝飯前なのだ。
地場マリコンの取締役に漁協の幹部らが就任している事実は極めて不適切だと考えられるが、それには歴史があるという。
福岡市の地場ゼネコンの系譜をたどれば、大きくふたつの流れがある。ひとつは宮川建設(福岡市中央区)のように、もともと土木工事を専門に行ってきた企業。もうひとつが漁協幹部らを取締役などに据える「博多湾環境整備」(福岡市博多区)や、子会社「コンドー」の取締役にしている「博多港管理」(福岡市中央区)のように、創業者が漁師で、漁業権と引き換えに会社を起業したというものだ。
港湾関係者によれば、漁協関係者への過剰な補償意識が、今日の港湾事業の歪みにつながっているとの指摘も出ている。福岡市で港湾関連工事を請け負う大手マリコンは、長く漁協のクレームに悩まされてきたとされる。漁業権を盾にとったり、漁への悪影響を申し立てられた場合、役所やマリコンは必死で問題解決に奔走するというが、当然、見返りが動くことになる。
関係者の証言もこうした話を裏付けるものばかりだ。福岡市近郊のある漁協幹部は次のように話す。「福岡市漁協は13くらいの漁協が合併したもの。箱崎漁協(現在は支所)は最後まで合併に同意しなかった。魚を採らなくても食っていけるからだ。漁業補償で得た土地とマリーナのあがり(利益)で生活ができる。漁業権があるというが、利権を得るために残されたものとしか思えない。組合員の大半は漁ではなく、公共事業を生業(なりわい)としている。それで『漁業協同組合』と言えるだろうか。昨年8月には立派な支所を建設したが、漁もせずに一体どこから金が湧いてくるのか不思議でならない。漁協支所の運営委員会トップがマリコンの役員をやっていることは知らなかった。ましてや『博多湾漁業権管理委員会』の委員長を兼任していたなどと、驚きでしかない。マッチポンプと言われても仕方がないだろう。彼らは漁師ではない」
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