NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

清明がほえる

2010年 存亡を賭けた生コンクリート業界(1)
清明がほえる
2010年1月 5日 19:42

 本日1月5日、我が国のビジネス界が本格始動した。走る車の量、駅を闊歩する人の数、オフィス内での電話の会話等々、正月気分は一掃され、来る激動の時代にどう戦っていくのか、各々勝負の年という位置づけが色濃い。4日の東京株式市場の大発会で、1年3カ月ぶりに日経平均株価の終値が1万654円79銭と08年10月3日以来の高値水準に回復などの前向きなニュースがあった一方、日本航空の再建案錯綜や我が国の国債発行額の伸び率が前年と比べて23%増といった経済の苦況を表すニュースも目につく。
 民主党が掲げた“コンクリートから人へ”の影響で、さらに商況が悪化しつつある生コンクリート業界。全国のどの地域でも、今年が存亡を賭けた1年になることは間違いないであろう。ある九州地方の有力生コン製造業代表は「自社も含め生コン業界がこのままの状態を放置すると、3分の1いや2分の1の工場は潰れるでしょう。倒産ですよ。公共工事がバンバン発注された景気の良かった頃に蓄えた財産は、各社底を着いてきているはずだ。今後も明るい見通しは期待できない。平素、ことあるごとに話しているが、業界全体でこの苦境をどう乗り越えるかを、一致団結して考えて実践していかないと共倒れになる。だが、足並みは揃っているとは言い難い」と沈痛なコメント。あるアナリストは「09年初めと年末とでは、業界人と話していて明らかに話のトーンが違う。年末は年初とは違って別人のようにトーンダウンしている。出荷が減少し続けている状況下、工場を半分に減らさねばと警鐘を鳴らしているのだが…」と話す。このアナリストの言う通り、昨年は日が経過するごとに生コン関係者の苦悩に満ちたネガティブな発言が目立った。
 ZENNAMAが発表した09年11月の出荷状況は、全国出荷単月で745万886m3、前年同月比82.7%。09年度(4~11月)累計は5,762万1,284m3、前年比で84.6%。減少している都道府県数は45にものぼる。09年12月の出荷量次第ではあるが、年間出荷量1億m3はほぼ絶望的であると言えよう(出荷量は非組合員工場も含んでである)。09年9月末現在の工場数は3,809で、1工場の月間出荷量の平均は2,521m3。3,000m3の出荷量が損益分岐の一つの目安である。よって、経営として成り立っていないのは当Net IBで再三述べている通り。しかも、この数値はあくまでも単純に割り算したもので、実際に聞くと「2,000m3をクリア出来ていない。お手上げ状態だ」という工場も多数存在する。今年に入り、状況はますます厳しくなる生コン業界。今後、業界の存亡を賭けた策についても連載をしていきたい。

(つづく)

【河原 清明】


*記事へのご意見はこちら

関連記事

powered by weblio


清明がほえる一覧
清明がほえる
2011年5月19日 08:00
清明がほえる
2011年5月18日 15:27
清明がほえる
2011年4月15日 15:46
清明がほえる
2011年3月26日 07:00
清明がほえる
2011年2月23日 16:15
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル