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コダマの核心

2010年激変時代にこそ『自社経営哲学』を磨く(後)
コダマの核心
2010年1月 6日 08:00

<激変時代は能天気の役人を一掃する>
 『百年一日』の役人の意識がそのまま放置されることはない。『激変時代』が役人たちの「税金=予算は我が財布」という意識を粉砕してくれるはずだ。悲観することはない。阿久根市という2万1,000人足らずの田舎の市民が竹原信一という市長を2回選んだ。その竹原市長の発言に対するマスコミの反応は異常である。彼の見解を冷静に取り扱い、徹底的に議論して問題点を掘り下げようとはしない。まさに魔女狩りの仕打ちである。
 『市民至上主義』をスローガンにして情報公開を貫く姿勢には誠に感服する。「市民に隠す情報はない」という彼の言葉は、建前でなく本音だ。
 彼はさらに、「納税者である市民の平均収入が一人当たり年収190万円なのに、市職員が700万円という格差は許されて良いのか」と問うために、全職員の給料を阿久根市のホームページに公開するのである。過去に拘らない竹原市長の市政運営を、市民が支持・選択した。阿久根市の例のように、地方から市民の意識が地殻変動を起こしているのだ。同市長は人件費削減を狙って今後、大胆な人事政策を導入していくそうである。

<激変時代にはぶれない 経営哲学の爪を鋭利に>
 阿久根市にはもう一人の巨人がいる。A−Zスーパーセンターを経営する(株)マキオの牧尾英二社長である。言うなれば阿久根市などの過疎地区は、既存の大手スーパー・小売業は市場として「眼中にない・破毀している」ゾーンだ。全国を見渡すと、既存流通組織から遺棄されている地域は今後、ますます増大していくであろう。この流れを見越して牧尾氏は「既存の小売業から遺民扱いされている消費者たちのために」、「消費者たちが必要とされるものはすべて揃える」という大義の旗を立てて店をオープンした。
 過疎地域に非常識の『24時間営業』という運営である。在庫管理の原則から逸脱した「年1回転しかしない商品30万点のアイテム」を揃えた(在庫管理のオペレーションをしない主義)。そしてとどの詰まりは昨年12月1日に旗艦「あくね」店にパート店長を抜擢した。350名の従業員がいる店である。このパート店長は育児の問題があるということで、夕方4時半に帰社することは相互に了解済みということになっている。流通に長年、従事してきた人ほど不安を覚えるであろう。「店舗運営は大丈夫なのだろうか」とため息をつく。
 牧尾社長はいたって意気軒昂だ。「大丈夫だ。充分に廻っている。現場がしっかりと責任を持ってやっているから心配することはない」と喝破する。そうなるとプロほどますます疑念が高まってくる。「パートの方が朝9時に出社して、夕方4時半まで支障なく店を廻せるなんてマキオマジックの成せる業である。マキオ経営には隠されたノウハウが必ずあるはずだ。それを探ってみよう」と気持ちが逸る。
 マキオマジシャンの回答はお決まりである。「種も仕掛けもありません」と煙に巻く。
 あるとすれば、次の点だ。「かわなべ」店に続いて3店目の「はやと」店をオープンした。販売は好調である。この「はやと」店に「あくね」店の幹部たちを転勤させた。「あくね」店は若返った。若者達が責任感を持ちだして、成長しだしたという説明である。しかし、プロほど額面どおりには受け取られない。「人材がそんなに短期間で育成されるはずがない」と疑問を抱く。
 牧尾氏の経営には、「消費者に支持されなければ淘汰されても仕方がない」という強い覚悟がある。覚悟というよりも諦観であろう。裏を返せば、「消費者が必要とされるものを提供し続けることが自分の使命」という哲学なのだ。「商売で儲ける」という俗物的な動機を超えた次元での、求道の精神が根底に横たわっている。
  『激変時代』の経営手法には、経営者の求道の精神に支えられないとお客に感動を与えられないのかもしれない。

(了)

 

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