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清明がほえる

2010年 存亡を賭けた生コンクリート業界(12)~経営合理化の可能性を探る~
清明がほえる
2010年1月22日 07:30

 第2段階で、ネットワークを構築した各社各工場の受注窓口を一本化することにある。すなわちそれは、ミキサー車の配車を一元管理する、ということである。
 当日以外の出荷をコントロールして、「集中配車」を実施する(出荷は各工場が行なう)。納入現場の地域、時間、出荷量を加味して、日々の平準化を目指して配車をコントロールしていく。当然ながら、配車をマネジメントする専属スタッフを育成し、人員配置しなければならない。第1段階で構築した各工場の情報共有化を、最大限に駆使して実施する。どこの工場を受付窓口にするのか、誰がやるのかという吟味も必要である。
 先を見据えて、ミキサー車を「緑」ナンバーに変えることも必要となってくる。1社複数工場での集中配送や、他社間において金銭授受を伴わずに車両の貸し借りを行なう場合は、「白」ナンバーでも問題はないのだが、共同輸送が本格化した場合に余剰車輌を有効活用する際には、やはり一般貨物自動車運送業許可=営業ナンバーである「緑」ナンバー取得が不可欠になる。営業ナンバーのミキサー車を配することで、他社間での共同配送をビジネスとして実現し、相互に有益になるモデルを構築するためのステップを踏むことができる。「第三者的な運送会社を使ってみては」という意見も存在するが、その場合、自社車輌・ドライバーを整理しなければならないので、まずはネットワークを構築した間で実施してみることである。
 それぞれが持つ資産を有効に、そして最大限に活用して最小限のコストで各社間成果をあげ、利益を分配することが目標である。固定費であった輸送コストを変動費化し、外部チャーターコストをできるだけ削減して1日の稼働率を向上させ、採算ベースに乗せることである。営業ナンバー取得のためには、試験や登録などさまざまな手続が必要となるが、真の共同配送を実現させるためには取得しなければならないし、取得できれば社の信用度も向上する。

(つづく)

【河原 清明】


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