各社各工場間での受注窓口一本化を実現できたら、第3段階として集中配送センターの確立を目指す。受注・出荷の指令をセンターですべて行なうのである。
当日受注も含めてすべての受注をセンターで実施し、車輌の配車コントロールを行なう。出荷の指示もセンターから行ない、より効率的な物流の仕組みが出来上がるのである。スタッフとしてセンター長、受注、配車、出荷の各担当人員が必要となってくる。よって人材の移動と車輌動向の完全な把握のためにGPSやネットワークカメラなどの環境整備は必須となる。この仕組みを整えるまでには環境整備や各社間との協議を含めて約2カ月間が必要である(共同配送に詳しい生コン関係者の談)。
現在でも、各社間でミキサー車の貸し借りはよくあることだという。チャーターするよりもいくらか安上がりだろうと想像する。だが、馴れ合いでの貸し借りだけでは本当の経営効率化には程遠く、車輌の貸し渋りも多くあり、各社間との連携がうまくいかないケースが多発する。ではどうするのか?
物流・輸送を生コン製造と分離して社外に別組織=集中配送、物流の別会社を作り、相互間の依存ではなく、ビジネス、そして各社各工場間での経営合理化の一環として、皆が幸せになるための“理念、信念”としての取り組みが望まれる。経営合理化として人員を削減する、ミキサー車を単純計算で減らすのではなく、いかにお互いの持ち味を生かしていくのかという視点で合理化を進めていかねばならない。たとえ人員削減、ミキサー車の減車が避けられないとしても、最小限に留めて、雇用の確保と資産の有効活用を実施しなければならない。これらのことに関しては、集中輸送の第4段階時に詳しく述べたいと思う。
組合が何とかしてくれるだろうという気持ちでなく、まずは相互間で自助努力し、厳しい市場環境のなかで知恵を出し合い、協業していく志があれば、出来ることはまだまだある。「出来っこない」というスタートではなく、「やってみようか」と可能性を探ることから始めることが肝要である。
【河原 清明】
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