総合リース業として国内トップの規模を誇るオリックスは、2007年3月期以降、1兆円を超える売上高を誇っている(数字はいずれも連結)。一方で、世界的な金融危機の影響もあり、収益性の低下は著しい。
近年の業績推移を見てみよう。08年3月期の売上高は1兆1,515億円。対して09年3月期の売上高は1兆758億円で、対前年比約7%の減収となった。売上高だけ見れば微減の状況だが、税引前当期利益は08年3月期の2,485億円が100億円と約96%減少。当期利益も1,695億円が219億円と約87%減少した。
事業セグメントごとに見ると、グループの主力事業は、(1)法人金融サービス事業、(2)メンテナンスリース事業、(3)不動産事業、(4)投資銀行事業、(5)リテール事業、(6)海外事業となっている。この6つの事業セグメントの税引前当期利益を見てみると、08年3月期では6事業とも黒字を維持している。もっとも利益の少ないリテール事業でも274億円の利益を計上しており、最高利益の不動産事業の830億円まで、各事業が数百億円の黒字を確保している。この結果が税引前当期利益の2,485億円となる。
これが09年3月期では、(1)法人金融サービス事業と(4)投資銀行事業が赤字に転落。全体の利益を押し下げる格好となった。(1)では、08年3月期で354億円の黒字だが09年3月期では104億円の赤字。(4)に至っては、08年3月期で474億円の黒字が、09年3月期では633億円の赤字である。これ以外の事業は、黒字ではあるものの30~65%の落ち込みとなっており、全体で税引前当期利益が100億円にまで減少した。
ちなみに2010年3月期の決算見通しは売上高9,600億円と1兆円割れながら、当期利益は300億円の黒字と減収増益を予想している。
【緒方克美】
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