従来、我が国の企業社会ではリスクマネジメント(RM)についての認識が非常に希薄であった。社内にRMの仕組みがあったとしても、それは事業目的や戦略とは切り離された対策で、「各部門がそれぞれの責任で処理すべきもの」という程度の認識の企業がほとんどであった。しかしながら、経済環境の変化や事業の多角化などの展開に伴い、これまで想像もしなかったリスクが生じてきているのが実態である。大企業、中小企業を問わず、企業の社会的責任(CSR)が重視されており、CSRの根幹ともいえるリスク管理はますます重要となっているのである。本稿では、福岡市で中小企業の企業経営におけるリスクマネジメント業務を手掛けている、(株)マネジメントパートナーの梶原社長のリスク管理・コスト削減に関する考え方を紹介する。
<リスク管理の必要性、構築するには困難も>
リスク管理とは、決して後ろ向きな発想や事業ではない。企業経営者が日頃考えている、「売上の増大には売上減少リスクが関係し、コスト削減にはコスト増加リスクが関係している」ということと同じように、発想を変えればリスク管理と経営とは表裏一体の事象である。言い換えれば、リスク管理なくしての経営はありえないことになる。
だが、企業経営者が「リスク」という言葉から連想するものは、「売掛金の回収不能」、「投資株式の下落による含み損発生」、「借入金利上昇によるコスト」などのマイナスイメージのものが主である。また、近年マスコミで報道されている企業の不祥事、とりわけ財務問題や食品の偽装表示などによって、企業のリスク管理の必要性は強く指摘されている。
しかし、「財務リスク」、「与信リスク」、「事務管理リスク」などなど、企業を取り巻くリスクの全てに対応するだけの経営資源が企業内にすべて揃っていることは稀であり、限られた人的・時間的・資金的資源しかないのが現状である。
さらに、リスク管理を行なおうとして「我が社にとってのリスクとは…?」と考えたとしても、その範囲は事業全体の細部にまでわたり、体系的に限りある資源を投入してのリスク管理体制を構築していくことは、非常に困難な作業となってしまう。
<「リスク管理」とは経営そのもの>
(株)マネジメントパートナーではそのような企業のニーズに応えるべく、リスクの洗い出しからリスクの重要度の検証、対応策の協議・実施、対応策の効果確認、モニタリングまでを、企業と一緒になって構築していく支援を行なっている。
同社の考えでは、リスク管理は決して後ろ向きな事業ではなく、経営そのものであるとしている。なぜならば、リスク管理を行なうには従業員各人の仕事の中身を棚卸しすることから始まり、仕事がどのように連携しているかを把握し、仕事の流れを「見える化」しなければならない。しかし、この「見える化」を行なうことによって、ムリ・ムラ・ムダが明確になり、コストの削減が可能となっていくからだ。
同社代表の梶原博文氏は、「さまざまなリスクに対応できる企業体質を構築していくなかで、事務の効率化、事業の再編成の実現化が可能になると考えております」とコメントする。
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【久米 一郎】
-COMPANY INFORMATION-
代 表:梶原 博文
所在地:福岡市中央区大名1-9-7
設 立:2009年1月
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