<博多湾のドン>
実名を挙げても構わないが、ここでは関係者の顔を立てて少し配慮しておこう。ここではA 氏として登場させる。
博多湾のドンはA 氏である。弊社が『Net-IB』および『I.B』で、「国土交通省の闇=博多湾浚渫工事の不条理」をキャンペーンしている。その渦中のボスがA氏である。
この人は永年、オーナー社長として博多湾浚渫工事を仕切ってきた。狙っていた工事が取れなかったことに腹を立てて、入札工事を中断させる画策をした。「A 氏の横暴さはひどい!!やり過ぎだ」という非難の声が上がった。そこで責任を取るかたちで社長を降り、会長に就いた(本人にしてみれば「不本意だった」のであろう)。
会長に就いたといえど、実権はこのA 氏が握っている。社長を実子が継いだ。この社長は、人が良いというか、世間知らず。「A 氏があまりにも偉大すぎるから、跡を継ぐのは大変だろう」という同情する声ばかりが聞かれる。「経営の器量を判読するのは難しい」と関係者は異口同音である。偉大なオヤジは、往々にして後継者づくりを蔑ろにするケースがあるが――。
<「世間知らず」に関係者が呆れる>
この社長は、弊社の「国土交通省の闇」シリーズを中断させるべく、関係者に頼みまわっているそうだ。まず、国土交通省OBとしては福岡在住では最大の大物であるB氏に相談に行った。「B先生!!是非、データ・マックスの連載をスットプさせてくれませんかね」と慇懃無礼に頼み込んだ。「いやー、至難の業だよ!!確かにあの会社とは親しい付き合いはしているよ。しかし、データ・マックスは筋を曲げることがないからね。その件は受けかねる」と丁寧に断った。A 氏の実子社長は、不満足そうに引き上げたそうだ。
それから数日経って、その社長から明るい声でB氏にTELがかかってきた。「先生!!もう解決しました。C 社長が『話をつけてくれる』と約束してくれたのですよ。C 社長はTEL1本でデータ・マックスに命ずる力があるのですねー。凄い」。
C社長とB氏とは、大学・役所の先輩・後輩の関係なのである。「濃厚な間柄に激震を走らせてしまった」という認識はまるでないのだ。この話を聞いて、二代目社長の非常識さには唖然とした。B氏の怒り狂う気持ち、充分に同情できる。歴戦練磨のA 氏は、緻密な気配りをして生きてきたのではないのか?無神経な若い社長に、このような微妙な交渉をさせたものだ。
この経緯を耳にした筆者は早速、C 社長にTELをかけた。
「A 氏の息子社長が触れまわっているようですよ。『C社長が命ずればデータ・マックスは何でもヘイコラする』とB先生に吹聴しています。もうカンカンですよ」と伝えた。「コダマさん!!私が、そんな間抜けなことを言うわけがないよ。ふざけた社長だな。そんな幼稚な奴ならばもう話もできない。今後一切、心許して会うこともしまい」と語る。
C 社長の心境としては、怒る領域を超えて開いた口が塞がらぬほど呆れ果てたのである。「馬鹿を相手にしていても時間の無駄だな。B先輩には釈明をしなければならなくなった」と見放した様子である。稚拙二代目社長のことはさておき、A会長は、日頃からお世話になっている方々の人間関係をぎくしゃくさせてしまったことを御存じなのだろうか!!あー、可哀そう。
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