生コンクリート工場経営合理化の一環である集中配送。その最終段階となる、センターの外部委託=アウトソーシングを完全に実施する。「緑」ナンバーを取得し、準備は整った。仕上げとして、共同配送のネットワークを作った各社各工場で運輸会社を立ち上げ、その会社に完全にアウトソーシングする。
ここで大切なのは、構築した各社間が共同で作った運輸会社であるから、別会社というより「別セクション」という捉え方をして甘えてしまう(金銭的コストを発生させないケースを作るなど)場合があるのだが、相互間においてビジネス関係を築き、完全に社外であるというドラステックな意識(ドライバーなど共に働いていた人間が移籍するのだが)で割り切って行なわなければ、集中配送における真の経営合理化は成し得ない、とうことである。
次に、アウトソーシングの方法として、月極か日割での車輌契約を実施する手法がある。この手法はポピュラーではあるが、コストの形態として固定費になってしまい、別会社まで立ち上げて経営合理化を実施しようとしているなかでは、協業して期待できる効果としてはまだ不十分である。そのようななかで今取り組まれているのが、m3での請負である。当然ながら、運輸会社も月極めや日割りでの契約より損をしない料金を設定して行なうことは言うまでもない。このm3の請けで、固定費であった輸送コストが変動費になる。
固定費を圧縮して変動費化することで大幅なコストダウンが実現し、各社各工場の損益分岐点を下げられ、不況への耐久力も強化できる。どの業界も同様であるが、運輸・輸送コストは大きなウエイトを占める。関係者の話では、生コンやその関連業界において、輸送コストは原価の20~30%を占めるという。今後はさらに原油高の懸念もあり、輸送コストの見直しがますます重要なキーファクターとなってくることは間違いない。
お互いが持ち得る有形・無形の資産を最大限生かし、最良の効果を上げるために、まずは“協業”のスタートとして集中配送を相互間で実現させていただきたい。生コン業界においても、激動の時代を生き残る第一歩となると確信している。
【河原 清明】
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