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特別取材

2010年 住宅業界を考える(1)
特別取材
2010年1月27日 11:30

 近年、我が国の住宅業界は供給過剰のなか、エンドユーザーの選択の目利きも厳しくなっている。デザイナーズハウス、オーダーメイドハウスなど、消費者主導によるオリジナル化・差別化をいかに明確にしていけるかが、熾烈な業界内で生き残れるかがキーファクターとなっている。
 2009年3月期時点で、住宅業界の市場規模は6兆6,393億円。前年の同時期と比較して約2,000億円減少、成長率で2.7%ダウンしている。住宅ローン減税制度に加え、経済危機対策による住宅税制、融資制度が拡充されるなど諸施策が打ち出されたが、消費者の将来不安の解消にはつながらず住宅着工数は一気に100 万戸割れ。ほぼ半世紀前の80 万戸という水準まで落ち込む事態に立ち至っている。
 そのようななか、09年6月に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」、10 月に「特定住宅瑕疵担保責任の履行に関する法律」がスタート。関連して、09年4月には「住宅ローン減税」が開始。省エネ性や耐震性、バリアフリー性に優れた長期優良住宅が優遇される結果となり、大幅減税による効果が期待されている。
 現況、逆風が吹き続ける一方で、オール電化や耐震・耐火住宅、省エネなど住宅への高付加価値ニーズが高まっており、消費者は住宅の環境性、安全性、省エネ性に強い関心を寄せていることに間違いない。戸建住宅市場は少子化の影響を直接受けると言われ、将来的な人口の減少や少子化による市場の縮小など、構造的な問題のなかでいかに高付加価値の住宅を提供するかが生き残りのポイントであると言える。
 オール電化、低価格住宅、太陽光発電住宅、バリアフリー住宅など、各社それぞれ高付加価値に対する取り組みを日夜続けており、今後も熾烈な競争が続けられるであろう。
 激動の年と言われ、市場動向が逆境のなか、住宅業界がどのような方向に行くのか。そして、どのような高付加価値の取り組みを行ない、実践していくのか。今後、詳細にレポートしていく。

(つづく)

【河原 清明】


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