昨年12月4日、亀井金融担当大臣の肝いりで成立した中小企業金融円滑化法(通称:返済猶予法)が施行されて、ほぼ2カ月になる。資金繰りに苦しむ中小企業経営者によると「返済猶予法が施行されたからと言って、急に掌を返したように相談に乗ってくれる雰囲気ではない」と言う。さらに「銀行に対して返済猶予の相談をすると、今後の取引に影響するのではとの恐怖感から言えないし、今までの厳しい融資姿勢に変化はない」と言う。
むしろ、「赤信号、みんなで貸さなければ怖くない」の例えのごとく、「取引のある銀行が協調して、返済猶予の申し出をしないように仕向ける手口も見受けられる」とも言う。
赤字の中小企業は保証協会の枠空き以外に借入のめどはなく、「返済猶予法」の施行が裏目に出て、資金繰りは今まで以上に厳しくなっているのかもしれない。
一方、個人住宅ローンの「返済猶予」については、各金融機関は専門の窓口を設けて対応しているが相談件数は多く、「返済猶予」を利用したくてもできない中小企業と際立った違いを見せている。
【北山 譲】
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