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清明がほえる

2010年 存亡を賭けた生コンクリート業界(16)~経営合理化の可能性を探る~
清明がほえる
2010年1月29日 09:45

 当サイトで繰り返し記しているが、何度でも記す。

 『出荷量の時代は、もう終焉した』

 将来的に、生コンクリート需要の激増は絶望的である。全国でピーク時の年間出荷量が2億m3に迫るようなことはもう起こり得ない。その現実は、各社各工場とも絶対に分かっているのである。よって、何度も述べているが、「出荷量志向」から「利益志向」に発想を転換して、生コン工場経営を立て直さねばならないのである。

 さて、集中配送による効果の事例の続き。

 「集中配送することで、庸車費が40%も削減できました。当然、庸車が少なくなれば1台あたりの運搬数量は増えますし、輸送効率を上げるにも運搬数量を増やさなければなりません。
集中配送することによって、結果は1台あたりの月間運搬数量が344 m3から446 m3となったのです。つまり約30%増となり、しかもどの車輌も同じように運んでいるのです。また別の地区(どちらかと言えば郊外型)では、1台あたりの月間運搬数量が178 m3から288 m3、約60%増となりました。
 もちろん、結果的にそうなったわけではありません。まずは目標設定と意識改革からのスタートでした。たとえば、現状250 m3の出荷であれば、300 m3を目標にする。今まで2回しか運んでなければ3回運ぶ。3回しか運んでなければ4回運ぶ。しかも、できるだけチャーターせずに…といった具合に目標を設定し、意識していくことが重要なのです。『そんなにうまくいくか』と思われるかもしれませんが、常に意識をすることで、目標は達成できると思います。
 一方、輸送コストは、1 m3あたり▲157円、郊外型で▲279円も下がったのです。さらに言うと、郊外型ではm3あたりの輸送費が2,400円台から2,100円台に下がりました。これを年間に換算すると、数百万円のコストダウンになります」

 これは、福岡のある地区のケースである。

 旧態依然なことから一歩踏み出す。どうすれば生コン工場の経営が健全になるのか。極力「自然淘汰」されることを回避し、出荷ありきでなく、経営として“共存共栄”していくには――という前提が非常に重要なことである。
 これが、スタートのための相互間の意志統一であることを、再度述べておきたい。

(つづく)

<取材協力>生コン維新有限責任事業組合副理事 江川浩司氏

【河原 清明】

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