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2010年 存亡を賭けた生コンクリート業界(17)~経営合理化の可能性を探る~
清明がほえる
2010年1月30日 13:50

 全国生コンクリート工業組合連合会 ・全国生コンクリート協同組合連合会(ZENNAMA)が発表した、2009年12月の全国の生コン出荷量は819万504m3(前年同月比85.1%)で、総出荷が07年3月以来34カ月連続、官公需が07年2月以来35カ月連続、民需が07年5月以来32カ月連続で全てマイナスの結果となった。
 09年度(4~12月)の累計総出荷量は6,581万1,206 m3で前年同期比84.6%。年間の総出荷量1億m3は絶望的で、9,000万m3も危うくなってきているのが現況だ。ピークであった90年度の約50%にまで落ち込むことは間違いないであろう。「今後、ピーク時の30~40%の出荷量まで下落することは覚悟しなければならない」と断言する生コン関係者もいる。妥当な予想であろう。各社各工場の経営者は、今一度現実を見なければならない。

 閑話休題。

 『配送の慣例』を変えてみる、ということに着目してみよう。
 「いくつかの工場のオーナー様とお話をさせていただいた時に、みなさん口を揃えておっしゃられるのは、『朝一に持って来い、というのが集中するから大変…』ということでした。であれば、そこを変えれば良いのです。九州のある地区でシミュレーションをしてみた結果なのですが、多忙であった1日を、(1)チャーターは使用しない、(2)現場到着時間を一番効率のよい組み合わせにする(朝一を、朝二、あるいは午後に移動)、でシミュレートしてみると、1m3当りの輸送コストが約600円下がるというものでした。年間2万m3で換算すると、約1,200万円となります。
 みなさんの地域でも今後、原油高や材料費の値上げに伴う値上げの交渉をされていくことでしょう。「値上げさせてください」という交渉と、「納品の体系を(上記のような契約体系に)変更してもらえれば値下げが可能です」という交渉なら、後者の方が前向きですし、話しやすいのではないかと考えます。注文の先行管理をきっちり行なって、受注時や受注後の営業対応で、時間の変更をお願いする。これだけでも随分改革できると思います」と語る関係者。

 慣例を少し変えてみるだけで、コスト面で好転する良い事例である。また、納品先にもメリットがある。

(つづく)

<取材協力>生コン維新有限責任事業組合副理事 江川浩司氏

【河原 清明】


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