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2010年 住宅業界を考える(4)~在来工法について(1)~
特別取材
2010年1月30日 14:25

 伝統工法の流れを汲む戸建の工法が「在来工法」。我が国では在来工法は主流の一つに挙げられ、戸建ての80%を占めるとも言われている。伝統工法を簡略化し、さらに発展させた手法である。別称“木造軸組構法”。柱や梁といった軸組(線材)で支える。設計自由度が比較的高めであることが特長である。
 構造ついて簡単に述べると、「軸組み」、「床組み」、「小屋組み」の3つから構築されている。また、伝統工法と比べて柱は小さく、貫など難しい作りを省略する代わりに、基礎や筋かいなど建物を補強する構造を形成する。

 「(在来工法は)伝統工法とは異なり、部材同士の接合部は大変弱いので、ホールダウン金物や羽子板ボルトによる金物補強が不可欠である」と戸建住宅関係者は語る。また、「構造上、加工をするのが非常に簡単であるというメリットがある。加工が簡単にできるということは、言い換えれば、将来的に増改築をする場合に、簡単に行なえるということに繋がる。また、工事に入ってからでも変更をすることができるなど、柔軟に対応できることも在来工法の構造のメリットの一つである。湿気にも強い構造になっており、耐用年数も他の工法の構造に比べると長いのもメリットである。筋かいや金物を規定通りに使用することで、建物の強度のばらつきを少なくしている」という。施工者(大工)の力量による強度のばらつきが少なくなるのも、在来工法の特色の一つである。
 伝統工法同様、木を中心とした住空間であるので、我が国の季節や風土に適合した工法であることは確かである。

 一方で在来工法は、「地震に弱い」ということも言われてきた。
 1995年1月17日に発生し、大惨事となった阪神大震災で、倒壊した住居のほとんどが在来工法であったということがわかっている。だが実態は、かなり古い建物や耐震基準に満たない住居であったのだ。阪神大震災の教訓を活かし、以降は建築業界も検証と研究、そして改良を重ねて、地震にも耐用する在来工法を作り上げている。

(つづく)

【河原 清明】

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