今年夏の参院選福岡選挙区が熱くなりそうだ。自民党が新人の大家敏志県議(42)、民主党は現職の大久保勉参院議員(48)をそれぞれ公認しているが、自民現職だった吉村剛太郎参院議員(71)が公認漏れに反発し離党。立候補の構えを崩していない。また、民主、社民両党の統一候補として、もうひとりの候補者の選考も進められている。共産党の新人も出馬予定であり、さらには公明党の弘友和夫参院議員が比例区から転身、選挙区からの出馬をうかがう。定数2の福岡選挙区に6人が乱立する可能性があるということだ。
保守分裂が懸念される自民党の関係者は、吉村氏の出馬について「票の掘り起こしになって大家陣営が引き締まるんじゃないか。(吉村氏が)国民新党から立候補すれば、旧来の自民党支持者はみんな離れる。たいしたことはない」と突き放す。
山崎拓・元自民党副総裁の参院比例区での公認が困難な状況となっており、自民党を離党して国民新党からの出馬を目指すと見られていることについても「元副総裁としての矜持をお持ちだと思っていたが、そうではないらしい。もし、離党して国民新党からから出馬するのなら、派閥(山崎派)の同志には何と説明するのだろう。晩節を汚してほしくなかった」と手厳しい。
揺れる自民党陣営に対し、与党側も一枚岩とは言えない。社民との統一候補擁立を進めてはいるが、選挙では、党として現職の大久保氏を優先することを決めている。地方議員の数では自民党に大きく差をつけられており、何のための擁立か疑問の声も上がっている。
北九州市在住の男性と、福岡市在住の女性に絞られた無所属統一候補の選考は、最終局面に入っているが、民主、社民両県連がどのような態勢を作るのか先が見えてこない。さらには、連立を組む国民新党は「我が道を行く」で、山崎氏や吉村氏と接触し、与党内を波立たせている。与党3党の連携は崩れているのだ。
民主、自民、それぞれが議席を分け合ってきた構図が変わるか否か。夏に向けて各陣営の動きが急になってきた。