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フリーペーパー受難の時代(3)~「新鮮味がない」
特別取材
2010年1月29日 10:30

 福岡にフリーペーパーが溢れるようになったのは約10年前のこと。それまでは新聞、タウン誌、グルメ本などの有料本が主流であったが、その数は少なかった。読者には『情報はお金を出して買うもの』という認識があったはずだが、“タダで情報が手に入るフリーペーパー”の存在を知る人が増え、ブームに火がついた。その煽りをモロに受けたのが、それまで主流だった新聞、タウン誌といった有料本であることは言うまでもない。

 その後、若者を中心に浸透しはじめたフリーペーパーの広告主は、今までよりも高い費用対効果を求めるようになる。舌が肥えてきたのである。そこで登場した手法が、新聞折込。新聞折込により、フリーペーパーの存在さえも知らなかった中高年までもが知りうることになり、潜在需要の掘り起こしに成功、費用対効果を大きく上げることとなった。新聞社サイドから見ても、折込チラシが減少傾向にあるなかで、新聞配達店の利益にもなるメリットのあるものだった。
 しかし、1社が折込をはじめると他社も追随した。挙げ句の果てには、新聞社までもがフリーペーパーを発行(ほとんどが自社広告局または系列広告代理店)する事態となった。そうなれば当然、読者側からすれば、フリーペーパーそのものに新鮮味が欠けるようになる。

 広く認知されるようになり、高齢者を除けばその存在を知らない者はいなくなったと言っても過言ではないまでに浸透したフリーペーパーも、今や明らかな衰退期に突入している。筆者の周辺からも、「興味がなくなった」、「飽きた」、「同じような情報ばかり」などという声が聞かれる。
 西鉄天神大牟田線・福岡天神駅の券売機近くに設置してあるフリーペーパーのラックを見れば、捌けた数で「勝ち組・負け組」がよくわかる。補充のサイクルは各社さまざまなため一概には言えないが(なかにはいつも完売していると見せかけるために、あえて補充していない会社もあるかもしれないが…)、費用対効果は広告出稿量に直結するため、今後「負け組」の媒体が淘汰されていくことは間違いない。

 無料で手に入る媒体、新聞折込――次はどのような「新鮮味」を打ち出せるか。生き残りを賭け、各社の模索は続いている。

(つづく)

【朝倉】

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