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金融危機で揺らぐ巨人~オリックス研究(3)
経済
2010年2月 1日 10:51

 前回は近年の決算状況を見てみた。連結で1兆円を超える売上高を誇りながら、金融危機の影響から利益率の低下が著しく、09年3月期では主要6事業のうち、法人金融サービス事業と投資銀行事業の2事業が赤字に転落したことを述べた。その他の4事業も黒字ながら利益率は大きく低下している。今回はキャッシュフロー(CF)の状況について見てみよう。

 09年3月期では1,393億円余りの増加となり、現金および現金等価物期首残高の3,206億円が4,599億円となっている。項目別に見ると、営業活動によるCFが3,087億円のプラス、投資活動によるCFが1,711億円のプラス、財務活動によるCFが3,345億円のマイナスである。営業CFは、08年3月期で1,562億円余りのプラスであり、同期と09年を比較した場合、倍増である。一般的に営業CFの増加はプラス要因だが、同社の場合、そうとも言い切れない面がある。

 同社のCFは米国会計基準に基づくものとなっており、日本の会計基準と区分が異なっている。とくに顧客への営業貸付金の実行および元本回収などが、日本の会計基準では営業CFに含まれるが、同社の場合は投資CFに組み込まれている。
 投資CFを見た場合、08年3月期では8,383億円のマイナスだが、09年3月期では1,711億円のプラスとなっており、投資CFが純CFプラスの大きな要因になっていることがわかる。なかでも、顧客への営業貸付金の実行が08年3月期では2兆2,675億円、元本回収が1兆8,931億円であるのに対して、09年3月期では営業貸付金の実行が1兆386億円、元本回収が1兆4,696億円となっている。これは同社の本業とも言える貸付金を大幅に抑制し、元本回収に傾注していたことを意味している。決して、本業が順調でキャッシュフローが増加しているわけではないのである。
 また財務CFは、08年3月期では7,929億円のプラスだったものが、09年3月期では3,345億円のマイナスとなっており、借入金の返済が進んだことを表しているが、借入金全体から見れば微々たる改善に過ぎない。08年3月期での有利子負債が5兆7,923億円、09年3月期が5兆2,520億円と減少はしているものの、依然として5兆円を超える巨額の有利子負債を抱えた状況であるからだ。

 次回は今期に入ってからの状況を見てみる。

(つづく)

【緒方克美】


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