福岡県町村会の参事らによる公金詐欺事件が、県ナンバー2と全国町村会会長による贈収賄事件に発展した。
2日、福岡県警は、後期高齢者医療制度をめぐり、町村会側に便宜を図った見返りに100万円を受け取ったとして前福岡県副知事・中島孝之容疑者を、贈賄側として県町村会会長で添田町長の山本文男容疑者をそれぞれ逮捕した。
県町村会会長である山本容疑者は、全国町村会の会長も務めており影響力の強さから「天皇」とまで呼ばれてきた。県内のある首長経験者は「山本さんは長すぎた。添田町長を30年前後、県町村会会長や全国町村会会長も10年以上になる。市長会などはトップが数年で変わるのに、町村会はいつも山本さん。知事や国会議員も山本さんに遠慮がちだった。『後期高齢者医療広域連合』の設立については、市長会側の要望の大半が却下された。町村会のために作られたといっても過言ではない。設立準備の段階から政治的な根回しも行われ、きな臭いと感じていた首長は少なくなかったはず。山本天皇の失脚で全国町村会も変わるだろうし、福岡県内も風通しが良くなる」と突き放す。
県議や首長らからは、昨年の町村会事件以来、山本容疑者による独裁体制に厳しい批判が相次いでいた。贈賄による逮捕という事態を受けて、町村会絡みの別件が明るみになるとの観測も出ている。
※記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら