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「福岡市政のお目付け役」~高山博光市議インタビュー(中)
特別取材
2010年2月 4日 11:12

福岡市議会議員 高山博光氏
福岡市議会議員生活30年、市政のことなら何でも知っている高山博光市議。高山市議は現在も市議会の第一線に立ち、市民のために身を粉にして働いている。『福岡市政のお目付け役』である高山氏に、最近の福岡市政についてインタビューを行なった。

福岡市の教育について
 福岡の教育が崩壊している。2007年には、福岡市教育委員会理事による教職員採用試験問題の漏洩が発覚。09年度の全国学力テストにおける福岡県の順位は40番台である。教師による暴力事件、いじめなどの不祥事も後を絶たない。

 ―福岡の教育が悪くなった大きな原因は何だと考えていますか?

 高山 教育委員会が機能していないことです。福岡市の小中学校費、二百数十億円に県負担の教職員給料を加えると、小中学校費だけで815億円ぐらいになります。78%という圧倒的な比重がある小中学校教育ですが、現在の教育委員の6人にはひとりも小中学校の教職員経験者がいないのです。即ち、PTA代表、企業代表、マスコミ界代表、社会教育界代表、九州大学教養学部教授、教育長の6人です。また、行政のトップである教育長、次長も一般行政職(事務職)で教育現場が無経験であり、よく解らないのです。
 12人の部長クラスも教職員経験者は実質2人です。事務職の人事担当部長が7,800人の教職員を235ヶ所に振り分けています。各学校は各々の地域性を持ち、それぞれの歴史や風土や特性が異なるのです。教育現場や教員をよく解らない人事担当部長で的確な人事が行える筈がありません。
 また私は、約6年間、教育委員会の傍聴を続けていますが付託議案でも人事関連が52%と中心で、教育等の本質的な討論は皆無です。最近は「意思決定過程」と称して5分の4位が非公開の会議となっています。教育委員会は、単なる「追認機関」と化しています。全国的に追認機関化した“教育委員会不要論”が澎湃として起こっていますが、福岡市の教育委員会はまさにその典型のひとつでしょう。

 ―現状を変えるためには、何をしなければならないと思いますか?

 高山 教育長の人事権と予算配分権を持つ市長が先ず真摯に対峙することです。次に、見事な教育実績を持ち、しかも教師たちが尊敬している校長を教育委員や幹部(教育長、次長、指導部長、人事担当部長等)に上げると、教育庁は大車輪で廻ります。そして、現場の校長に権限を与え、教育委員会が強力にバックアップすることです。組織幹部のほとんどを一般行政職(事務屋)で固めた福岡市の教育が、まともであるはずはありません。対象は「子供」です。
 また、教科書採択から教育内容全般、教育現場は全て法律に囲まれています。教育界は特別な専門職の集団です。例えば、教育現場の経験のない指導部長がどうやって小、中、高、養、幼の現場を指導できますか。学校では、本庁からの“通達”ばかり来て「通達行政だ」と揶揄しています。事務職と、外部の有名知識人とのいわゆる“教育の非専門者連合”とで福岡市の教育行政を進めているのです。“事故が無ければ良い教育”との感覚です。
 2007年に発生した、教職員採用試験問題内容の漏洩事件における処罰が、教育庁の実態を知らしめています。自殺者も出し、受験生の信頼を裏切る重大事件です。当事者の理事は免職ですが、教職員課長と係長がそれぞれ10分の1ヶ月分減給、部長は戒告、教育委員たちは月額報酬の10分の1(3万円)を自主返納。植木教育長は1月29日辞職願を出し、3月31日退職し、4月1日より教育長の天下りコース、月給70万円の総合図書館館長に就職です。どこに処罰がありますか。課長と係長のみ10分の1ヶ月減給のトカゲのシッポ切りで終りです。しまりの無い、教育委員会に飲酒運転が多いという原因は、この教育委員会の“身内に甘い”体質に全てが起因しています。

(つづく)

【文・構成:県政取材班】



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