どう見ても「観光」である。データマックス取材班が福岡県に情報公開請求して入手した公文書から、県議会の公金への意識の低さが浮かび上がった。
96年に福岡県で発覚したカラ出張問題から約13年半。後期高齢者医療制度を巡る贈収賄の疑いで、元副知事・中島孝之容疑者(67)と県町村会長・山本文男容疑者(84)が福岡県警に逮捕された。公費支出の透明性が問われる中、チェック機能である県議会にも厳しい視線が注がれる。
県議会総務企画委員会は、05年11月7日から9日まで、2泊3日の管外視察を行った。この間、「公務」と思われるものは視察初日の福井県庁訪問(14時から15時20分までの1時間20分)と2日目の石川県庁訪問(10時半から11時半までの1時間)程度。わずかな「公務」を行ったほかは、「金沢市民芸術村」「西茶町資料館・足軽史料館等」「兼六園見学」と観光地を回っていた。宿泊した2日間とも16時半には宿舎に戻る日程となっており、観光目的と見られて仕方のないものだ。さらには、小松空港において帰りの便を待つ間、「有料待合室」で昼食をとったことも記述されている。まさに特別待遇だ。
同視察の目的は「予算編成過程への県民参加」、「職員の自発的な業務課程改善」、「市町村合併の状況」を調査 することとなっているが、この視察内容では県民に公費支出への理解など得られるはずがない。職員の業務改善どころか、県会議員自らの「業務」への姿勢が疑われかねない。
次週から、県議会による視察について検証してゆく。
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