福岡市議会議員生活30年、市政のことなら何でも知っている高山博光市議。高山市議は現在も市議会の第一線に立ち、市民のために身を粉にして働いている。『福岡市政のお目付け役』である高山氏に、最近の福岡市政についてインタビューを行なった。
◇福岡市の教育について(続)
高山 今は、公立学校の教育が本当にダメになっています。2009年1月19日、福岡市立内浜中学校で1年生の生徒が先生からのいじめが原因で自殺しました。調べると、その先生は、自殺した生徒に毎日20㎏の荷物を持たせて家へ帰らせたりしていました。
その子はすごく優秀な生徒でした。入学以来、休みを抜くと通学したのは約7カ月間になりますが、その間、他の子の面倒をいろいろと見ていた優しい子なのです。同級生に勉強を教え、転校生には真っ先に接するような子です。それでいて成績も1番でした。
その子が自殺したのは、どう考えても先生への恐怖心が原因です。それを問い質すと、市教育委員会は「一切関係ない」と認めません。ひどいことには、調査段階で校長を除いて学校側の人間は、一度も保護者に会っていないのです。
親がダメ、先生がダメ、児童がダメ。これを倉本聰氏は「劣化のスパイラル」と書いています。経済は回復することはできるが、教育は簡単には良くすることができません。非常に深刻な問題です。
◇吉田市政の検証
今年の12月、福岡市長選挙が行なわれる。現職の吉田市長は、自らが選挙中に掲げたさまざまな公約を破り、市民から浴びせられる非難の声は後を絶たない。
―吉田市政についてはどう思いますか?
高山 市職員を眠らせてしまいましたね。組織というのは、3分の2が納得する人をトップにすれば上手く機能しますが、少数しか認めない人間が上に立つと機能しない。まず、市職員のやる気を削いだことが、吉田市政の一番悪いところだと思います。
それから、公約に違反してアイランドシティに子ども病院を移転させた件です。あれは自民党が悪い。子ども病院移転の件の前哨戦として、学童保育無料化案の議題がありました。吉田市長は無料化を掲げて当選しています。私は市議会の採決前に、自民党の市議に向かって「市民の意向である以上、民主主義の原理原則に従って通すべきである」と言いました。すると議会は否決して、吉田市長を震え上がらせたのです。それ以降、吉田市長が市議会にひれ伏すかたちになってしまいました。
―福岡を良くするためにはどうすべきですか?
高山 とにかく市長を変えることです。市長が変われば、副市長、局長、課長も変わり、行政組織がよみがえります。吉田市長は外部から来ているため、人の推薦でしか人事をできていません。
最後に、博多港湾事業の不正疑惑について、高山市議は以下のように意見を述べている。
高山 福岡のマリコン業者は、福岡市に本社だけを置いて8社ぐらいが戦後からずっと居座っています。昔からそういう会社が、他から来た会社をはじき出して8社だけで事業を独占してきました。彼らにとって、条件付き一般競争入札の“条件”とは“福岡市にいる企業”のことです。今は3社だけでやっているようですが全くけしからん話です。「ここまで腐っているのか!」と、今度の市議会の代表質問で一喝入れたい。
【文・構成:県政取材班】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら