「品質、品質と組合は言っているが、具体的に何かしているか? 確かに“30プロジェクト”を大々的に行なって、生コンのPRに力を注いでいることは分かる。しかし、それで何かが変わっただろうか? 相変わらずアウトサイダーが福岡市内の市場に入っている。全然減っていない。地道に草の根的な活動を続けていることも分かるが、PRの効果が現れるほどに各工場の経営が維持できているとはいえない。数多くの工場が淘汰されているだろう」と県内の有力な生コン製造工場代表は語る。
生コンの品質を追求するならば、たとえば組合は、生コン品質の分析がその場でできる機器を開発するなどして、品質向上の促進をしているかというとそうではない。そのような機器を開発して生コンユーザーに提供するなど、組合活動として生コンの品質追求を具体的に実践していくことも重要ではないかという。
続けて、「資金力は別にして、組合が全工場を所有すれば良い。自治体や政府に掛けあって経済特区(我が国で言う構造改革特区のこと)を設け、地区をまとめることも一つの策になるのではないか。生コンのビジネスはエリア=地域密着の商売である。産業活性化に貢献できる策を創出し、知恵を出しあってやってみることである。だからもっと組合主導のマネジメントを実現できるように、組織・人材面でも改革していかないと。今課題となっているアウトサイダーに組合に入ってもらうというより、巻き込んでいくぐらいの意気込みが必要だろう。広域の協同組合にするなども、検討に値するのではないか」と語る。
保護されて経営していくという消極な発想でなく、より「攻め」の姿勢での経営・運営が福岡地区の組合には求められている。現況の工場数を維持することは、もう不可能だろう。組合活動も、激変時代において「激変」すべき時がもうそこにきているのではないだろうか。草の根運動と同時並行で、抜本的な構造改革を迫られている。
【河原 清明】
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