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コダマの核心

2010年は激変してこそ残る(17)~激変させた技術力で生きる
コダマの核心
2010年2月 9日 15:46

<リニア新幹線に尽くす>

 (株)冨士機(所在地:福岡県嘉穂郡桂川町大字吉隈字石川430-33、代表:藤田以和彦氏)の工場は凄い賑わいがある。人の往来も活発だ。4,500坪に及ぶ工場敷地の西部に高さ20メートルに及ぶプラントがそびえている。このプラント視察にスーパーゼネコンの関係者が日参しているのだ。何のプラントなのか。地下70メートルのトンネル工事で発生する汚泥を掘り上げ現場で処理して埋め戻すプラントの実験場である。
 今、同社内では「リニア新幹線の成功に全力投入して貢献しよう!!」をスローガンにして社員達が一致団結し、おおいに燃え上がっている。若手従業員の眼の色には驚かされる。今時、工場にこれだけの活気が充満しているところは少ない。社内が使命感に燃え熱気溢れる理由は、「リニア新幹線工事を支えたい」という一心に集中しているからである。
 1964年、東海道新幹線が開通した当時の日本全体に轟いた歓声の声は忘れられない。今、同様に品川から名古屋までのリニアモーターによる新幹線建設が着工されようとしているのだ。
 リニア新幹線の建設計画では3ルートが計画されており、いずれも長野県を通過する。1案の木曽谷ルートは距離、所要時間、工事費の順に334㎞、46分、5兆6,300億円。2案の伊那谷ルートでは、346㎞、47分、5兆7,400万円。3案の南アルプスルートでは、286㎞、40分、5兆1,000億円となっている。久しぶりにワクワクさせられるビックプロジェクトだ。そして、3ルートのどの案も地下70メートルのところをトンネルで貫通される計画になっているのだ。
 冨士機はこの地下70メートルで推進されるトンネル工事で発生する汚泥処理を、一手に引き受ける大偉業に果敢に挑戦しているのだ。この話を耳にして誰でも驚くことであろう。「えー、そんな信じられない。そんな大それたことをやってのける技術会社が筑豊の田舎にあったかな?」と驚く前に、誰もが疑いの眼を向けるだろう。ところが現実に、同社は確実に実績を積んできた。業界という専門分野では注目の的になっている。冒頭に述べたように発注先側が視察に訪れるのである。

<地下40メートル工事で技術力が実証される>

 冨士機における最近の売上の大半は、東京や大阪の地下鉄、地下都市高速道路建設の受注だ。最近はややこしい地上権問題をクリアするために、地下鉄も都市高速道路も地下深く40メートル以上のところに建設するようになっている。この工事の最大のネックは掘り起こした土砂の処理である。工事の過程で土砂は使用される化学薬品・油などと混合されて汚染汚泥同様になる。これを速やかに処理して埋め戻し、砂土に再生させることが緊要の課題だ。
 このトラブル解決に同社は、長年、正面から向かい合い対応してきた。従来の工法においては掘り上げた土砂を処理場までダンプで運搬する工程が不可欠であった。同社はこの工程を除去した。採掘された現場土砂をその場で再生して埋め戻す画期的な工法によってである。この工法を専門的な表現を用いて説明すると、以下のようになる。
 「トンネル掘削地盤に礫を含有する土砂地盤であっても長距離、大口径トンネルのシールド推進掘削に適し、切羽掘削泥土を途上に搬出し、搬出泥土の一部をインバート部にバッチ式に埋め戻し、これを均一濃度で強力な路床となすインバート路床施行法」
 地下40メートルの工事現場で鍛われてきた同社にとっては、リニア新幹線工事もさほど難解な工事ではない。冨士機のように激変時代においても卓越した技術力に磨きをかけていれば自ずと企業は繁盛するのである。


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