住宅設備機器販売を手掛ける(株)九州ノーリツ(本社:福岡市)は、2009年10月、温水・空調機器の大手上場企業である(株)ノーリツ(本社:神戸市)の100%子会社となった。2010年1月が新会社の実質的な1期目のスタートとなる。
旧・九州ノーリツは、創業60年を超える地場老舗企業で、福岡地区では高い知名度を誇っていた。だが、建築業界の低迷もあり、近年は業績不振から財務内容の悪化が顕著になっていた。このためノーリツが新会社を立ち上げ、そこに事業を移管するスキームで新生・九州ノーリツをスタートさせた。旧会社の社長である毛利繁男氏は、新会社では代表権のない会長に退き、ノーリツから新社長として清水和人氏を迎え入れた。
旧会社はノーリツの支援により昨年中に清算。新会社へのスムーズな事業移管により、営業基盤はそのまま引き継がれている。同社にとって、これまで築き上げてきた営業基盤は大きな財産だ。厳しさを増す業界環境の中で同社が選択した道は、懸命な選択だったのではないか。
【緒方 克美】
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