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特別取材

2010年 住宅業界を考える(10)~住生活総合調査をおさらいする(2)
特別取材
2010年2月12日 13:45

 国土交通省が2009年12月に発表している08年12月1日現在の住生活総合調査における住み替えなど居住状況の変化についてのデータにより見てみる、

◇居住状況の変化の理由
 最近の5年間で、新築、建替え、住宅購入、増改築、賃貸住宅入居など、居住状況が変化した世帯は、全体の30.2%となっている。これは、前回調査と比較し、2.6 ポイントの減少。また、移転した世帯について、居住状況が変化した理由は、多い順に、「就職や結婚などによる世帯の独立のため」が23.4%、「就職、転職、転勤等のため」が21.3%、「住宅が狭かった、または狭くなったため」が18.5%となっている(複数回答)。

◇現在の住宅と従前の住宅の比較
 居住状況が変化した世帯において、現在の住宅と従前の住宅で「大変良くなった」と積極的に評価している項目は、多い順に、「住宅の広さ・間取り」が23.8%、「断熱性や換気性能、採光など」が17.4%、「高齢者等への配慮(段差がないなど)」が15.0%となっている。

◇住み替え・改善の意向の有無
 新築、建替え、住宅購入、増改築、賃貸住宅入居など、住宅改善について「意向がある」と答えた世帯は全体の18.8%となっている。これは、前回調査と比較すると、1.1 ポイントの減少。

◇住み替え・改善の内容
 住み替え・改善の意向がある世帯について、その内容を見ると、多い順に、「リフォーム(増改築、模様替え、修繕など)を行う」が37.5%で、前回調査と比較して1.0 ポイントの増加。「家を借りる」が25.9%(同9.5 ポイント増加)、「家を購入する」が21.1%(同2.2 ポイント減少)、「家を新築する」が6.5%(同3.8 ポイント減少)、「家を建て替える」が4.4%(同4.0ポイント減少)となっている。

◇住み替え・改善の目的
 住み替え・改善の意向がある世帯について、その目的を見ると、多い順に、「快適・便利な住宅にするため」が31.0%、「子どもの誕生や成長などに備えるため」が18.4%、「快適・便利な居住環境にするため」が17.7%となっている(複数回答)。

◇住み替え・改善の実現時期
 住み替え・改善の実現時期について、「1年未満」「1~2年」「3~5年」を合せた5年以内の実現が64.3%となっており、前回調査より15.4 ポイント増加。そのうち「3~5年」は30.0%となり、前回調査から11.1 ポイント増加している。

◇住み替え・改善の実現が困難な理由
 住み替え・改善の意向がある世帯のうち、計画の実現に際し何らか困っている点をあげている世帯は64.3%となっている。その理由としては、多い順に、「預貯金や返済能力が不足している、またはその可能性がある」が37.3%、「支払い可能な額の範囲で、立地、広さ・間取りなど気に入った住宅がない」が23.1%、「住宅の改善方法について適当な相談相手(専門家)や適切な施工業者、仲介・販売業者に関する情報が得にくい」が9.8%となっている(複数回答)。

◇住み替え・改善の意向がない理由
 住み替え・改善の意向がない世帯について、その理由を見ると、多い順に、「現在の住まいに満足しているから」41.4%(前回調査より2.6 ポイント増加)、「何とかしたいが資金がなくあきらめているから」22.5%(同0.1 ポイント増加)、「住み慣れているので離れたくないから」9.8%(同1.0 ポイント減少)となっている。

 以上の調査項目の中で、住み替え・改善の意向があると回答した世帯が微減している。意向のない理由として、「現況の住まいに満足している」が半数近くを占めていると同時に、「何とかしたいが資金がなくあきらめているから」が20%を超えている。双方とも僅かであるが増加傾向にある。また住み替えや改善をする意向があっても困難な理由として、支払に関わる理由が過半数を超えている。家の新築・建て替えや購入も減少し、家を借りる、リフォームするが増加している。
 景気停滞に加えて先行きが不透明な我が国の経済状況に呼応して、ユーザー側は住環境を快適にしたいという意向があっても、あきらめと不安の中で断念している。住宅ローンの審査厳格化も影響していると言えよう。一方で、住み替え・改善の時期において5年以内の実現と回答している世帯が増加現象にあり計画的に準備していることも読み取れる。
 わが国の雇用情勢は、09年12月現在で09年平均の完全失業率が5.1%と過去3番目に悪い数値となっており前年と比較して1.1%上昇。ユーザー側の収入に不安が付きまとっている。 施工・販売側、ユーザー側とも経済的項目は頭の痛いところであるが、より具体的に専門的な見地からユーザーに対してファイナンスの問題や課題を克服できる手段・提案を実践出来るかどうかが鍵であろう。

(つづく)

【河原 清明】


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