◇フリーペーパーの仕事に誇りを持つ
廃刊の危機に直面した事態について長澤社長は、「私は社長業に専念し、現場の仕事は社員に全幅の信頼をおいて任せていました。しかし、フリーペーパーを発行するということに誇りを持てる人たちがいなくなっていたのが一番の原因だと思います。現場に。『フリーペーパーの時代ではない』、『他紙が多すぎて効果が薄れている』、『将来はない』、などと“負の風潮”が流れていました。広告の仕事は好きでも、フリーペーパーを愛する人たちがいなかったのです。このような現場にしてしまったのは、私のせい。もっと早く手を打つべきでしたが、社員を信頼し続けて、このような状況になりました。社員をうまくコントロールできなかった私は、社長業として不適格でした」と猛省する。
猛省したうえで、自らの現場復帰を決めた。裸一貫で創業して、フリーペーパーという文化を作り、ガリヤという媒体を作った。長澤社長の心意気に感銘を受け、何一つ文句を言わずに、ずっと広告を付き合ってくれるクライアントも数多くある。ガリヤを応援してくれる人が一人でもいるならば、そう簡単に店じまいをすることはできない。そう決意しての現場復帰であった。
つい先日の話であるが、長澤社長があるクライアントに打ち合わせに行った時のことである。打ち合わせ場所に他誌フリーペーパーの人間が大勢来ており、積極的な意見交換を行なっていたという。これを見て長澤社長は、「心からありがとうと思いました。他社の方々でしたが、フリーペーパーの現場でこんなに楽しく仕事をしている姿を見て、とても嬉しかったです。これだけフリーペーパーの仕事を楽しくやっている人たちがいれば、私ももっと頑張らないといけないと思いました」。
長澤社長のフリーペーパーに対する思いはとても純粋なものがある。
【朝倉】
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