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特別取材

建設業の未来を拓け! 鹿児島県建設業協会の挑戦(2)
特別取材
2010年2月16日 08:30

鹿児島県建設業協会会長
「南生建設(株)」社長
川畑俊彦氏インタビュー

 
◇ 合併・統廃合を進め業界生き残りを! ◇

 ─建設業界の現状について聞かせて下さい。

 川畑 鹿児島県建設業協会の会員数で言えばで、ちょうど私が会長になった年ですから8年前。その時が1,120社。それが現在は820社になりました。820と言えば、2割以上減ったことになります。会社の数は2割減。私は「2・4・6」と言っているのですが、従業員数は以前の4割に落ち込みました。予算は6割減になった。これは、大変な数字です。
 いかに、我々の業界を守っていくか。例えば、お父さんとお母さん、それから息子夫婦、これだけの会社にしてやっと体裁を保つ。リストラですね。それでも会社だけは残しておく。そうした企業も多いんですね。
 現在、鹿児島県について予算別に言えば、普通建設事業費等という形で、1,400億円程度。これは私が調べたところでは、昭和53年度に返るというような規模です。よく協会で話してきましたが、「昭和53年の頃は皆さんの企業はどれくらいの規模でしたか。その時代に返るんですよと。それほど、パイが少なくなっているんです。しかし、少ないパイに対して事業者の数は多い。そこをどうにかしなきゃいけない。一番の問題はそこなんですね。

 ─建設業界の課題ということに話が移ってきましたが、どう取り組んで行きますか?

 川畑 昨年11月、鹿児島県発注の海上工事にからんで、公正取引委員会が港湾工事業者の調査に入りました。現在も調査中です。これを契機に県の協会も危機感を持ちました。構造改善をやるしかない。いわゆる業者の統廃合を含めた形の中で、そうしたことを考えて行かざるを得ない。実際に、パイは少なくなってきています。その中で、建設業、そして建設業を担う若い人たちに、どうやってバトンタッチしてゆけるかということを考えなければならない。若い人たちが、本当に希望を持って働けるということを考えないといけない。そうすると、先ほど申し上げたように企業合併、統廃合といったものを視野に入れざるを得ない。経営者は、「業界が無くなる」という危機感を持ってやっていかなければならないと思っています。

 ─企業合併や統廃合を行っていく場合、双方の利害が対立します。そうした時、建設業協会の会長としての調整力が求められていくと思いますが、そのあたりどうですか。

 川畑 これが一番難しいところです。しかしながら、(合併や統廃合を)やらなければ、我々は生き残れないんです。そこは、皆で考えて行動しなければなりません。努力をしながら、入札制度の改革を県にお願いしたり、マスコミに対しても「建設業界はこういうものだ」と積極的にアピールしなければなりません。公共事業や建設事業に対する悪いイメージをどうやって払拭させていくかも考えています。

 ─前向きに合併や統廃合を進めていくということですね。

 川畑 そうです。今回、公取が入ったというのは、いい機会じゃないかと思うんです。建設業界をどうしようかと皆が真剣に考える機会になりましたから。いくらパイが少なくなったから統廃合しましょうと言っても難しい。だけど、今回公取が入ったということを真摯に受け止め、ひとつの契機にできればと願っています。自分たちの中で、業界のあり方を考え、行政に対する提案などを建設業界からもやっていきます。

◇ 社会貢献できる建設業界に! ◇

 ─そうした取り組みをしながら、鹿児島経済界、そして建設業界の発展にまい進されるわけですが、地元鹿児島県の未来について、何かメッセージがあればお願いします。

 川畑 来年は九州新幹線が開通します。鹿児島県が起点になるわけです。まず他県の人たちが鹿児島に来てもらえるような街づくり!鹿児島市は中核都市として、一生懸命頑張っています。元気を出して、観光に繋がるような工事をやらせてもらいたい。まだまだインフラ整備は福岡などの都会に比べて遅れていますからね。南の玄関口である港湾も、東南アジアとか、アジアに一番近い港なんです。そういうものを含めた形の中で、街づくり、インフラ整備をやっていかなければなりません。社会貢献ができる仕事が増えることを願っています。決して建設業はなくならないと確信しています。どうか、力を貸して下さい。

 ─「南生建設」のPRをお願いします。

 川畑 私どもの「南生建設」は、昭和23年に先代が兄弟で始めた会社です。現在は私が社長、副社長が従兄なんです。従兄の時代に入った。先代は、よく「和を以って」という話をしていました。非常に厳しい時代ですが私もその精神を受け継ぎ、社員には、「給料は上げられないかもしれんけど、リストラはしないから。みんなで助け合って頑張ろうや」と言っています。皆の力で、本物のリーディングカンパニーとして、南生建設は元気を出して頑張ろうじゃないかと。鹿児島県のリーディングカンパニーになろうじゃないかと。社員の一人一人がそうした気持ちを持ってやってくれれば、何とか頑張れるんじゃないかと思っています。

(おわり)

【プロフィール】
 川畑 俊彦(かわばた としひこ)
1947年7月14日生まれ。日本大学理工学部卒。大成道路株式会社(現・大成ロテック(株))を経て74年、南生建設株式会社に入社。77年、専務取締役。89年から代表取締役を務める。02年から社団法人 鹿児島県建設業協会会長。業界のトップリーダーとして、その手腕を発揮している。
その他、98年から鹿児島県赤十字有功会副会長、05年から県ラグビーフットボール協会会長を務めている。

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