◇死線の先を行く
昨年の11月号のこと、スタッフが大量に離職してしまったため、広告の集広から誌面作りまで、長澤社長一人で行なった。広告の集広は得意であるが、誌面の台割作成や印刷所とのやり取りはかなり久しぶりだったという。
悪戦苦闘しながらも、昼夜仕事に明け暮れた。気がつけば会社に寝泊りする日々が続いた。まさに、創刊当時の頃と同じ状況だったという。「あまりに寝ないで仕事に没頭していましたので、“死線の先を行く”感覚を久しぶりに体験しました」と当時の状況を語る。『周囲からは11月号、12月号は出るわけがない』と揶揄(やゆ)されていたことも、長澤社長の負けん気を奮い立たせた。クライアントのために効果が出る誌面作りとはどういうものか、読者が読んで楽しくなる情報は何か、などを自問自答しながら現場の感覚を掴んでいき、やっとのことで11月号を発刊させた。死線の先を行った心と体はボロボロであったが、発刊した時の充実感は、これもまさに創刊時と同じ感覚であった。
ボロボロの長澤社長を助けるために、11月に1人、12月にまた1人とスタッフが加入した。手はかかるが、みなフリーペーパーを盛り上げたい、ガリヤを復活させたいというアツい志を抱いていた。「手はかかるが、気持ち的にはとても楽でした。私自身があきらめればすぐに終わります。ですが、頑張っているスタッフの姿を見るとそう簡単には匙は投げられません。この子たちと一緒に頑張って、発刊できずに潰れることがあっても本望。何も悔いは残りません」。
束の間のひとときを経て、12月号の発刊体制に入る。気合と意地と根性で乗り切ることになる。
【朝倉】
▼関連リンク
GARIYA
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら